コルネリウス・ネポス
Cornelius Nepos
ラテン語 · 歴史・地理 · 伝記 · 伝記; 歴史・地理 · 歴史叙述
25 作品 · 6,222 対訳文
アゲシラオス伝
Agesilaus本作は、スパルタの王アゲシラウス2世の生涯と美徳を描いた伝記である。物語は、アゲシラウスがリュサンドロスの支持を得て王位に就く経緯から始まる。彼はペルシア遠征で神々への誓いを守り、知略を用いて輝かしい勝利を収めるが、本国での危機に際しては私欲を捨てて直ちに帰国する。コロネイアやコリントスでの戦闘では、同胞であるギリシア人への深い哀れみと敬虔さを示し、都市の破壊を避ける。晩年、スパルタが衰退の危機に直面すると、彼は機転を利かせて都市を救い、資金集めに奔走しながらも、自らは徹底して質素倹約の伝統を守り抜いた。最後はエジプト遠征を終えて帰還する途上でその生涯を閉じ、彼の不屈の精神と愛国心が描き出される。
歴史・地理8 チャンク · §1.1-1.5–§8.1-8.7285 対訳文読む →アルキビアデス伝
Alcibiades本作は、アテナイの政治家・軍人であるアルキビアデスの波乱に満ちた生涯を、彼の強烈な二面性と非凡な才能に焦点を当てて描いた伝記作品です。物語は、彼の優れた資質と奔放な青年期、ペリクレスによる庇護やソクラテスとの絆から始まります。シキリア遠征の指揮中に神聖冒涜の嫌疑をかけられた彼は、スパルタやペルシアへと亡命し、卓越した知略で一時的にアテナイを追い詰めます。その後、将軍としてアテナイに復帰し熱狂的な歓迎を受けるものの、再び民衆の不興を買って失脚し、トラキアやペルシアを転々とする流浪の身となります。最後は政敵たちの陰謀によって暗殺される悲劇的な結末を迎えますが、本作は彼がいかに異なる文化や土地に適応し、第一人者であり続けたかを称賛して締めくくられます。
歴史・地理11 チャンク · §1.1-1.4–§11.1-11.6402 対訳文読む →アリステイデス伝
Aristides本作は、古代アテナイの政治家であり将軍でもあったアリスティデス(Aristides)の生涯と、その卓越した「義」の徳を描いた伝記である。物語は、ライバルであるテミストクレスとの対立や、アリスティデスが「義人(ディカイオス)」としての名声ゆえに陶片追放される逸話から始まる。ペルシア戦争の勃発に際して帰国した彼は、サラミスの海戦やプラタイアイの戦いで重要な軍事的役割を果たす。さらに、彼の極めて公平な人格はギリシア諸都市の信頼を集め、同盟の主導権をスパルタからアテナイへと移行させる契機となった。晩年にはデロス同盟の分担金を公正に査定する重責を担うが、私生活では徹底して清貧を貫き、葬儀の費用すら残さずに没した。国家のために無私の精神で尽くした一人の愛国者の実像が、歴史的事件とともに描き出されている。
歴史・地理3 チャンク · §1.1-1.5–§3.1-3.377 対訳文読む →アッティクス伝
Atticus本作は、共和政ローマ末期の内乱期を、卓越した知恵と品性によって生き抜いた騎士ティトゥス・ポンポニウス・アッティクス(Titus Pomponius Atticus)の生涯を描いた伝記である。物語は、アッティクスの高貴な出自と教養豊かな少年期、そしてアテナイへの留学における市民との深い交流から始まる。激動の時代にあって、彼は特定の党派に加担することなく一貫して中立を保ち、カエサルやアントニウス、オクタウィアヌスといった対立する有力者双方から信頼されつつ、敗者や弱者を救済し続けた。私生活においては、莫大な富を築きながらも極めて質素で節度ある生活を送り、キケロをはじめとする多くの知識人や政治家と深い友情を結び、歴史書の執筆などの文化活動に勤しんだ。晩年、病に侵された彼は、自らの信念に従って絶食による死を選択し、その高潔な生涯を自らの手で静かに締めくくる。
歴史・地理22 チャンク · §1.1-1.4–§22.1-22.4724 対訳文読む →カトー伝
Cato本作は、共和政ローマの政治家・軍人である大カト(マルクス・ポルキウス・カト)の生涯とキャリアを簡潔に描いた伝記作品です。物語は、彼の青年期とローマへの移住、そして軍事トリブヌスから法務官に至る初期の官職経歴から始まります。その中では、詩人エンニウスをローマへ伴い帰った逸話も紹介されます。続いて、執政官としてヒスパニアで挙げた軍功や、有力者スキピオ・アフリカヌスとの対立が描かれます。後半では、彼を最も特徴づける監察官(ケンソル)としての厳格な施策と、生涯にわたる政治的ライバルたちとの絶え間ない闘争に焦点が当てられます。妥協なき厳格さをもって共和政の道徳を守ろうとしたカトの人物像が、彼の生涯の軌跡とともに鮮明に描き出されています。
歴史・地理2 チャンク · §1.1-1.4–§2.1-2.471 対訳文読む →カブリアス伝
Chabrias『ハブリアス』は、アテナイの優れた将軍ハブリアスの軍功と波乱に満ちた生涯を描いた伝記作品です。物語はまず、彼がテーバイの戦闘において、膝を盾に固定して槍を構える独自の防御戦術を導入し、スパルタ王アゲシラオスの進軍を阻んだ輝かしい功績から始まります。この勝利によって彼の彫像が建てられ、その名声は確立されました。その後、ハブリアスはエジプトやキプロスなどの海外の戦役で活躍しますが、アテナイ市民の嫉妬を避けるために、他国での生活を余儀なくされます。最後には、同盟戦争のキオス包囲戦において、彼は一私人でありながらも勇敢に先陣を切って戦い、船が沈没する中で名誉ある戦死を遂げました。
歴史・地理4 チャンク · §1.1-1.3–§4.1-4.3126 対訳文読む →キモン伝
Cimon本作は、古代アテナイの傑出した将軍にして政治家であるキモン(Cimon)の波乱に満ちた生涯と高潔な人格を描いた伝記である。物語は、キモンが父の残した多額の罰金のために投獄され、姉妹の自己犠牲的な結婚によって釈放されるという過酷な青年期から始まる。自由の身となった彼は頭角を現し、ペルシア軍への勝利やアテナイの美化など、多大な軍事的・政治的功績を収める。後に政敵によって陶片追放を受けるが、国家の危機に際して呼び戻されてスパルタとの和平を調停し、最後はキプロス遠征中に病に倒れた。作品の後半では、私財を惜しみなく投じて困窮する市民を援助し続けた彼の卓越した慈悲深さと、その人間的な美徳が称えられている。
歴史・地理4 チャンク · §1.1-1.4–§4.1-4.4100 対訳文読む →コノン伝
Conon本作は、アテナイの将軍コノンの波乱に満ちた生涯を描いた伝記作品です。物語は、コノンの不在中にアテナイがアイゴスポタモイの戦いで大敗を喫し、彼がペルシアの総督ファルナバゾスを頼る場面から始まります。コノンはペルシア側で頭角を現し、スパルタの王アゲシラオスの侵攻を阻止して多大な功績を挙げます。さらに、ペルシア王への告発に際しては、祖国の威信を守るために直接の拝礼を避け、書面で対応する機知を見せます。その後、クニドスの海戦でスパルタを打ち破った彼は、ギリシア全土を解放してアテナイの城壁再建を果たします。しかし最後は、アテナイの領土回復を目論む野心からペルシアに捕らえられ、その最期に複数の説を残して生涯を閉じます。
歴史・地理5 チャンク · §1.1-1.3–§5.1-5.4156 対訳文読む →ダタメス伝
Datames本作は、ペルシア帝国に仕えながらも数奇な運命をたどったカッパドキアの有能な将軍データメスの生涯を描いた伝記である。物語は、彼が軍功によって頭角を現し、各地の反乱を鎮圧して王の信頼を得る過程から始まる。しかし、その卓越した成功は宮廷の廷臣たちの嫉妬を買い、身の危険を察した彼は王からの離反を決意する。孤立無援となったデータメスは、優れた戦術と計略を駆使して追討軍や裏切り者を幾度も撃退し、自らの身を守り抜く。しかし最後は、同盟者を装って近づき、周到に罠を仕掛けたミトリダテスの卑劣な欺きによって命を落とす。優れた知略を持ちながらも陰謀に屈した英雄の、緊迫感あふれる戦いと非業の死を描き出している。
歴史・地理11 チャンク · §1.1-1.2–§11.1-11.5416 対訳文読む →ディオン伝
Dion本書は、シラクサの政治家ディオンの波乱に満ちた生涯を描いた伝記作品である。優れた素質を持つディオンは、僭主ディオニュシオス1世に重用され、哲学者プラトンをシラクサに招くが、後継のディオニュシオス2世との間に対立が生じる。僭主によって追放され家族を破滅に追い込まれたディオンは、挙兵してシラクサを解放し、僭主を追い詰めることに成功する。しかし、共同指導者ヘラクレイデスとの対立から彼を暗殺したことで、ディオン自身も支持を失い、疑惑と心労に苛まれるようになる。最終的に、かつての友であったカリクラテスの陰謀によってディオンは無残に暗殺される。彼の死後、民衆はかつての非難を一転させて彼を「祖国の解放者」として称賛し、公葬をもってその生涯を称えた。
歴史・地理10 チャンク · §1.1-1.5–§10.1-10.3364 対訳文読む →エパメイノンダス伝
Epaminondas本作は、古代ギリシア・テーバイの偉大な将軍であり政治家であるエパメイノンダス(Epaminondas)の生涯と優れた人格を描いた伝記的歴史叙述です。著者は、他国の習俗を自国の基準で評価することの愚を戒める導入から始め、彼の高貴ながらも貧しい出自、受けた高度な教育、そして卓越した身体的・軍事的な鍛錬について記述します。物語は、彼が金銭による買収を厳格に拒む無私の精神や、政敵や外交の場での優れた雄弁さを描き出します。さらに、国家の危機の際に法を超えて指揮権を延長した愛国心や、不当な裁判を機知によって切り抜けた逸話が紹介されます。最終的に、マンティネイアの戦いで致命傷を負いながらも、自軍の勝利を確認して安らかに息を引き取る壮絶な最期が描かれます。彼の死後にテーバイの繁栄が終焉を迎えた事実を通じて、一個人の存在が国家にいかに決定的な影響を与えたかが示されます。
歴史・地理10 チャンク · §1.1-1.4–§10.1-10.4370 対訳文読む →エウメネス伝
Eumenes本作は、アレクサンドロス大王の急逝後に生じた後継者(ディアドコイ)たちの覇権争いの中で、非マケドニア人という出自の逆境に抗い続けた智将エウメネスの波乱に満ちた生涯を描く伝記です。著者は、マケドニア王家への忠誠を貫いたエウメネスを主人公とし、アンティゴノスなどの強力なライバルたちとの知略を尽くした戦いを描きます。エウメネスは、マケドニア人将軍たちの激しい嫉妬に直面しながらも、ノラ砦での籠城戦や偽のたき火を用いた欺瞞作戦など、独自の優れた計略を駆使して度重なる窮地を切り抜けていきます。しかし最後は、味方の裏切りによって宿敵アンティゴノスに引き渡され、その非凡な軍事能力を惜しまれつつも処刑されます。彼の死後、それまで遠慮していた将軍たちが一斉に王を自称し始めたという事実を通じて、エウメネスの存在がいかに大きかったかが印象的に描き出されます。
歴史・地理13 チャンク · §1.1-1.6–§13.1-13.4492 対訳文読む →ハルミカル伝
Hamilcar本作は、カルタゴの名将ハミルカル・バルカの生涯と軍功を描いた伝記作品である。物語は、第一次ポエニ戦争末期におけるシキリア島での彼の目覚ましい防衛戦と、祖国の窮状を見据えた不屈の和平交渉から始まる。帰国したハミルカルは、カルタゴを脅かしていた傭兵の反乱を優れた手腕で鎮圧し、国内に平和を取り戻す。その後、彼はヒスパニア遠征の指揮権を得て、幼い息子ハンニバルを伴って遠征に赴き、領土を広げて祖国に富をもたらした。イタリア遠征を計画する最中に彼は戦死するが、彼の抱いた強烈な反ローマの闘志は息子ハンニバルへと継承され、次の大戦への火種となったことが示され、幕を閉じる。
歴史・地理4 チャンク · §1.1-1.5–§4.1-4.3101 対訳文読む →ハンニバル伝
Hannibal本作は、カルタゴの不世出の将軍ハンニバルの波乱に満ちた生涯を描いた伝記です。物語は、彼が幼少期に父の前で誓ったローマへの終生の憎しみから始まり、ピレネーやアルプスを越えてイタリアへ進軍する壮大な遠征へと展開します。カンナエの戦いなどでローマ軍を圧倒し無敵を誇ったハンニバルでしたが、祖国に召還されたのちザマの戦いで宿敵スキピオに敗北を喫します。敗戦後も彼は優れた手腕で祖国の再建を試みますが、ローマの追及を逃れるために亡命を余儀なくされます。その後は東方の諸王を頼り、奇策を用いてローマへの抵抗を続けるものの、最期は退路を断たれ、自ら毒を仰いで非業の死を遂げます。軍事的天才としての華々しい戦績だけでなく、教養人としての側面や、悲劇的な最期までが鮮やかに叙述されています。
歴史・地理13 チャンク · §1.1-1.3–§13.1-13.4518 対訳文読む →イピクラテス伝
Iphicrates本作は、アテナイの伝説的な将軍イフィクラテス(Iphicrates)の生涯と軍事的な功績を描いた伝記である。物語はまず、彼の卓越した人物像と、歩兵の盾や槍、剣、鎧を改良して戦闘能力を飛躍的に向上させた革新的な軍事改革を記述する。続いて、トラキアやコリントスでの輝かしい軍功や、エジプト遠征での傭兵指導、テーバイ軍によるスパルタの危機を救った功績など、彼の優れた軍隊統率力が様々な戦歴を通じて紹介される。終盤では、彼の並外れた容姿や性格、マケドニア王家への恩義、そして晩年の裁判における無罪判決について語られ、最後に息子メネステウスの機知に富んだ対話で締めくくられる。一人の軍事的天才の多面的な姿が、簡潔な叙述の中に凝縮されている。
歴史・地理3 チャンク · §1.1-1.4–§3.1-3.4108 対訳文読む →リュサンドロス伝
Lysander本書は、ペロポネソス戦争を終結に導いたスパルタの将軍リサンドロスの生涯と、その権力への野心と没落を描いた伝記作品です。リサンドロスはアテナイに勝利した後、各都市に十人政治(デカルキア)を導入し、自らの専制的な支配権を確立しようと試みます。しかし、その支配はタソス島への残忍な裏切りに代表されるように極めて冷酷なものでした。さらに彼は、スパルタの伝統的な王政を廃止して権力を握ろうと神託の買収を図りますが、これは失敗に終わります。最終的には、自身の悪評を打ち消そうと頼ったペルシアの太守ファルナバゾスに欺かれ、自ら告発状をスパルタの監督官に提出するという皮肉な自滅を遂げます。彼の死後には陰謀の証拠が発見され、その欺瞞に満ちた野望が白日の下に晒されることになります。
歴史・地理4 チャンク · §1.1-1.5–§4.1-4.3109 対訳文読む →ミルティアデス伝
Miltiades本書は、アテナイの偉大な将軍ミルティアデスの生涯を描いた伝記的歴史叙述です。物語は、彼が神託によってヘルソネソスへの入植指導者に選ばれ、機知によってレムノス島を占領する初期の活躍から始まります。やがてペルシアの脅威が迫るなか、ミルティアデスはマラトンの戦いで早期出撃を強く主張し、地勢の利を活かした巧みな指揮によって圧倒的なペルシア大軍を撃破する不滅の功績を挙げます。しかし、その後のパロス島遠征で不慮の誤認から撤退を余儀なくされると、彼はアテナイ市民から反逆罪で告発され、獄中で悲劇的な最期を迎えます。著者は、彼が有罪とされた真の背景には、突出した英雄が僭主(テュランノス)となることを極度に恐れる市民たちの警戒心理があったことを示し、名誉の変遷と民衆の心理を浮き彫りにしています。
歴史・地理8 チャンク · §1.1-1.6–§8.1-8.4298 対訳文読む →諸王について
On Kings本作は、ローマ以外の外国(外邦)の傑出した王たちの生涯、人柄、そしてその最期を簡潔に叙述した歴史伝記作品です。著者はまず、スパルタの王アゲシラオスや、キュロス、ダレイオス、クセルクセスといったペルシア帝国の偉大な王たちの功績と横顔を紹介します。続いて、ギリシア世界で覇権を唱えたマケドニアのフィリッポス2世やアレクサンドロス大王、さらにはエペイロスのピュロスやシケリアの僭主ディオニュシオス1世の事績へと叙述を進めます。最後に、アレクサンドロス大王の死後に割拠し、多くが非業の死を遂げた後継者たちの運命に触れ、カルタゴの将軍ハミルカルとハンニバルの叙述へと繋いでいきます。本作は、権力者たちの栄光だけでなく、彼らの運命の変転や最期のあり方を描き出しています。
歴史・地理3 チャンク · §1.1-1.5–§3.1-3.5121 対訳文読む →パウサニアス伝
Pausanias本書は、プラタイアの戦いで輝かしい勝利を収めたスパルタの将軍パウサニアス(Pausanias)の波乱に満ちた生涯を描く歴史的な伝記作品です。物語は、彼の偉大な軍功と、その後に生じた名誉欲によるスパルタ本国との確執から始まります。パウサニアスはペルシア王クセルクセスとの密通を進め、ペルシア風の贅沢な生活や傲慢な態度によってその野心を露わにしていきます。スパルタの監督官(エポロス)たちは彼の陰謀を疑うものの、決定的な証拠が不足していたため慎重に捜査を進めます。やがて信頼していた使者の若者の告発と罠によって陰謀が暴かれ、追い詰められたパウサニアスは神殿へと逃げ込みますが、最期はそこへ閉じ込められて餓死するという悲劇的な結末を迎えます。
歴史・地理5 チャンク · §1.1-1.4–§5.1-5.5207 対訳文読む →ペロピダス伝
Pelopidas本作は、テーバイの偉大な将軍であり愛国者であるペロピダスの生涯を描いた伝記です。物語は、スパルタによるテーバイ占領に伴い、ペロピダスら反対派がアテナイへと亡命する場面から始まります。亡命した彼ら少数の若者たちは、政務官たちの宴会の夜に祖国へと潜入し、支配者を暗殺してテーバイを解放する大胆な計画を実行に移します。政務官の油断に乗じたこの政変は民衆の蜂起を呼び、スパルタからの解放に成功します。その後、ペロピダスは盟友エパメイノンダスとともにレウクトラの戦いなどで活躍し、テーバイの興隆に大きく貢献します。最後は、彼がテッサリアでの戦役で一時捕虜となり救出された後、勇戦の末に戦死し、遺族とともに不滅の栄誉を授けられるまでを描いてその生涯を締めくくります。
歴史・地理5 チャンク · §1.1-1.4–§5.1-5.5168 対訳文読む →ポキオン伝
Phocion本作は、アテナイの政治家・軍人であるフォキオン(Phocion)の波乱に満ちた生涯と、その高潔な人格および悲劇的な最期を描いた伝記です。前半では、マケドニアのフィリッポス王からの贈り物を拒んで清貧を貫き、「善人」と称えられた彼の高潔な生き様が描かれます。しかし後半では、外交上の失策や政敵との関与によって市民の不信を買い、失脚していく様子が綴られます。アテナイの党派闘争とマケドニアの政変に翻弄された彼は、最終的に弁明の機会すら与えられずに死刑を宣告されます。かつての名将が罪人として処刑され、奴隷の手で埋葬されるという悲痛な結末を通じて、政治の非情さと運命の変転を描き出しています。
歴史・地理4 チャンク · §1.1-1.4–§4.1-4.4129 対訳文読む →テミストクレス伝
Themistoclesアテナイの偉大な政治家・軍人であるテミストクレスの波乱に満ちた生涯を描いた伝記作品である。物語は、放蕩にふけった若い日を猛省した彼が、比類なき才覚で頭角を現すところから始まる。ペルシアの脅威に対し、彼は海軍の増強を主張してサラミスの海戦へと導き、卓越した知略と奇策を用いてギリシアに歴史的大勝利をもたらした。戦後はアテナイの復興と国防を推し進め、スパルタとの外交戦を巧みに乗り切る。しかし、やがて陶片追放によって祖国を追われ、かつての宿敵であったペルシアへと亡命を余儀なくされる。ペルシア王のもとでその非凡な才能を認められて優遇され、他郷の地で生涯を終えるまでの彼の栄光と転落、そして死が、簡潔な筆致で綴られている。
歴史・地理10 チャンク · §1.1-1.4–§10.1-10.5409 対訳文読む →トラシュブロス伝
Thrasybulus本作は、アテナイを三十人僭主の支配から解放した将軍トラシュブロス(Thrasybulus)の生涯と功績を描いた伝記作品です。著者はまず、トラシュブロスをその高い美徳と功績によって最高の将軍の一人として称賛します。物語は、彼が極めて少数の味方とともにピュレの砦を占拠し、僭主たちの油断を突いて勢力を拡大して敵を破る場面から始まります。戦いの後、スパルタ王パウサニアスの仲介により和平が成立して民主政が回復されると、トラシュブロスは過去の罪を問わない「忘却の法」を制定させ、その遵守を徹底しました。その後、功績に対して質素なオリーブの冠を贈られた彼は、キリキアでの遠征中に陣営の警備の隙を突かれ、野蛮人の夜襲によって悲劇的な最期を遂げます。
歴史・地理4 チャンク · §1.1-1.5–§4.1-4.4128 対訳文読む →ティモレオン伝
Timoleon本作は、コリントスの将軍ティモレオンの生涯と功績を描いた歴史伝記である。物語は、彼が祖国の自由を守るために僭主となった実の兄弟を殺害させるという苦渋の決断を下し、母親との不和や世間の非難から深い絶望に陥る場面から始まる。その後、彼はシチリア島に派遣され、僭主ディオニュシオス2世を追放し、カルタゴ軍などの外敵を次々と撃破してシラクサを解放する。ティモレオンは戦後のシチリアの復興と民主的な法秩序の再建に尽力し、絶対的な権力を握りながらも支配権を放棄して、一私人としてシラクサで余生を送る道を選んだ。晩年に失明してからも謙虚さを失わず、自身の成功を神々の恩恵に帰し続けた彼は、市民から深い敬愛を受け、死後は盛大な国葬をもって見送られた。
歴史・地理5 チャンク · §1.1-1.6–§5.1-5.4181 対訳文読む →ティモテオス伝
Timotheus本書は、アテナイの偉大な将軍ティモテウスの生涯と、その輝かしい功績および晩年の悲劇を簡潔に描いた伝記作品である。前半では、サモス奪還やスパルタ軍の撃破といった彼の傑出した軍事的成功と、アテナイの海上覇権の確立が紹介され、市民から父コノンと並ぶ栄誉を授かった全盛期が描かれる。しかし後半では、高齢で復帰した戦争において、共同指揮官の讒言から作戦失敗の責任を不当に問われ、有罪判決を受けて亡命を余儀なくされる波乱の顛末が語られる。結末では、アテナイ市民が後に判決を後悔したことや、彼の高潔な人柄を示す逸話が添えられ、アテナイにおける偉大な指揮官たちの時代の終焉とともに物語は締めくくられる。
歴史・地理4 チャンク · §1.1-1.3–§4.1-4.6162 対訳文読む →

