マカバイ記三
3 Maccabees本書は、エジプトのプトレマイオス朝のもとで起こったユダヤ人への迫害と、神の奇跡的な救済を描いた宗教的歴史物語である。物語は、ラフィアの戦いで勝利したプトレマイオス4世がエルサレムの神殿に乱入しようと企てる場面から始まる。神の力によって阻まれた王は激怒してエジプトに退却し、現地のユダヤ人の市民権を剥奪し、彼らの一斉逮捕と処刑を命じる。ユダヤ人たちは競馬場に監禁され、狂暴化した象によって踏み潰される危機に瀕するが、神の介入によって虐殺は何度も延期される。最終的に長老エレアザルの熱烈な祈りに応えて天使が出現し、象を王の軍勢へと逆戻りさせて危機を脱する。自らの過ちを悔いた王は態度を一変させ、ユダヤ人を釈放して彼らの安全な帰還を保障し、物語はユダヤ人たちの大いなる歓喜と祝宴の中で幕を閉じる。
宗教・神学9 チャンク · §1.1-1.29–§7.1-7.23795 対訳文読む →アモス書
Amos『アモス書』は、主に紀元前8世紀の北イスラエル王国を舞台に、テコアの牧者であった預言者アモスが語る神の裁きと救いの預言を記した書物です。本作はまず、イスラエルおよびその周辺諸国の不義、そして神に対する不誠実さへの厳しい告発から始まります。中盤では、サマリアの指導者や富裕層の贅沢、貧困層への圧迫、そして形骸化した宗教儀礼が痛烈に糾弾され、形式的な祭儀ではなく真の社会的正義を確立することが強く求められます。アモスはイナゴや火、測り縄、夏の果物の籠といった象徴的な幻を通じて、イスラエルに不可避の審判が迫っていることを示され、祭司アマツヤによる妨害を受けながらも預言者としての使命を全うします。最後には徹底的な破滅と精神的な飢饉が宣告される一方で、ダビデの幕屋の再建と、イスラエルの民の将来的な回復および永遠の繁栄の約束という希望が提示されて締めくくられます。
宗教・神学9 チャンク · §1.1-1.15–§9.1-9.15818 対訳文読む →バルク書
Baruch本書は、バビロン捕囚という未曾有の危機に直面したユダヤの民が、自らの罪を悔い改め、神の知恵に従って希望と救いを見出すプロセスを描いた宗教文学です。エレミヤの従者であるバルクがバビロンで記したとされる書簡の形式をとり、捕囚地での祈り、神の知恵、そして擬人化されたエルサレムの語りが展開されます。物語は、バルクが捕囚の民に書を朗読し、彼らが過去の不従順を告白する書簡をエルサレムに送るところから始まります。中盤では、神の戒めに背いたために災いが下ったことが告白され、真の知恵(ソフィア / Sophia)は律法を通じて神からイスラエルにのみ与えられたという神学的洞察が示されます。後半では、擬人化されたエルサレムが母として捕囚の子供たちを慰め、最後には哀悼の衣を脱ぎ捨てて神の栄光をまとい、離散した民が栄光のうちに帰還するという大いなる救いの約束をもって締めくくられます。
宗教・神学6 チャンク · §1.1-1.22–§5.1-5.9604 対訳文読む →ベルと竜
Bel and the Dragon『ベルと竜』は、バビロンの宮廷を舞台に、預言者ダニエルの知恵と神への信仰を描いた物語です。作品は大きく二つのエピソードから構成されています。前半では、ダニエルが偶像ベルの神殿の床に灰を撒くことで、供え物を消費しているのが神ではなく秘密の通路から侵入する祭司たちであることを暴きます。後半では、バビロンの人々が崇拝していた大蛇(ドラゴン)に特製の塊を食べさせて退治します。この行動により激怒した群衆によってダニエルは獅子の洞窟に投げ込まれますが、天使に連れてこられた預言者ハバククから食事を与えられ、奇跡的に生き延びます。最終的に王はダニエルを救出し、彼の信じる神こそが真の神であることを認めます。
宗教・神学2 チャンク · §1.1-1.20–§1.21-1.42243 対訳文読む →ベルと竜(テオドティオン版)
Bel and the Dragon (Theodotion version)本作は、バビロンの宮廷を舞台に、預言者ダニエルが知恵と信仰によって異教の崇拝の虚妄を暴く物語です。物語の前半では、ダニエルがバビロンの偶像ベルに捧げられる膨大な供え物の行方を巡り、王と賭けをします。彼は神殿の床に灰を撒くという知恵を用いて、夜中に祭司たちの一族が密かに供え物を消費していた欺瞞を暴き、神殿を破壊へと導きます。後半では、バビロンの民が崇拝していた巨大な竜を、ダニエルが餌に細工をして退治します。怒った民によってライオンの洞窟に投げ込まれたダニエルですが、神の奇跡によって守られ、預言者ハバククから食物を届けられて生き延びます。最終的に、ダニエルの信じる唯一の神の偉大さが示される結末となります。
宗教・神学2 チャンク · §1.1-1.17–§1.18-1.36205 対訳文読む →エステル記
Esther本作は、ペルシア帝国の支配下で全滅の危機に瀕したユダヤ人の救済を描いた、信仰と劇的な逆転の物語です。物語は、ユダヤ人のモルデカイが二匹の竜の夢を見て、王の暗殺陰謀を暴くことから始まります。その後、モルデカイの養女エステルがその美しさからペルシア王の新たな妃となりますが、高官ハマンはモルデカイへの私怨からユダヤ人すべての抹殺を計画します。絶望的な状況のなか、エステルとモルデカイは断食と熱烈な祈りを通じて神に助けを求め、エステルは死を覚悟して王の前に進み出ます。神の導きによって王の心が和らぎ、事態は一転して、ハマンは自らが用意した処刑台に吊るされ、ユダヤ人には自衛の権利が与えられます。最終的にユダヤ人は敵を打ち破り、この救済を記念する「プーリーム(Purim)」の祝祭が定められ、モルデカイの夢の真意が明かされて物語は幕を閉じます。
宗教・神学14 チャンク · §prologue.1-prologue.17–§10.1a-10.111,252 対訳文読む →ハバクク書
Habakkuk本書は、不条理な現実における神の正義(神義論)と信仰を巡る預言者ハバククと神との対話、および祈りの歌を収めた旧約聖書の預言書である。物語は、ハバククが世にはびこる不義と暴虐について神に苦情を訴えるところから始まる。神はこれに対し、審判の道具として強大で残虐なカルデア人を送り込むと答えるが、ハバククはさらに不義な者がより正しい者を滅ぼすことの理不尽さを問いかける。これに対して神は、傲慢な侵略者にはやがて災いが下ること、そして正しい者は信仰(エムーナー)によって生きることを告げる。最終章では、神の恐るべき顕現と裁きを讃える詩的な祈りが捧げられ、たとえ現実の生活が困窮に陥ろうとも、主を信頼し救いを喜ぶという強固な信仰告白をもって本作は締めくくられる。
宗教・神学3 チャンク · §1.1-1.17–§3.1-3.19364 対訳文読む →ハガイ書
Haggai本書は、バビロン捕囚から帰還した後のエルサレムを舞台に、荒廃したまま放置されている神殿の再建を促す預言者ハガイの神託を収めた預言書である。預言者ハガイは、民が自らの家を整えながらも神の家を顧みない現状を厳しく指摘し、怠惰がもたらした不作や困窮を警告する。この促しに応じ、ユダの総督ゾロバベルや大祭司ヨシュアをはじめとする民は一丸となって神殿再建の工事を開始する。続いて神は、新しい神殿の栄光がかつてを上回ること、そして神殿再建に取り組む今日から民に豊かな祝福が与えられることを約束する。最後には、世界の国々を揺るがす神の主権が宣言され、指導者ゾロバベルが特別な存在として選ばれる約束をもって締めくくられる。
宗教・神学2 チャンク · §1.1-1.14–§2.1-2.23180 対訳文読む →ホセア書
Hosea本作は、不実なイスラエルの民に対する神の裁きと、それを超える神の深い愛と救済を告発と和解の物語を通して描いた預言書です。冒頭では、預言者ホセアが不貞な妻ゴメルを娶るという象徴的な命令を受け、これが神を裏切って偶像崇拝に走るイスラエルの姿として提示されます。中盤では、民や指導者たちの不義、知識の欠如、大国アッシリアやエジプトへの無益な依存が激しく告発され、破滅と捕囚の裁きが宣告されます。しかし神は、幼子のように愛したイスラエルを完全に見捨てることはできず、内なる葛藤の末に憐れみを示します。結末において、預言者は民に悔い改めと主への回帰を促し、神はそれに応えて彼らを癒やし、再び豊かな繁栄をもたらすことを約束して本作を締めくくります。
宗教・神学14 チャンク · §1.1-1.11–§14.1-14.101,168 対訳文読む →ヨエル書
Joel本作は、預言者ヨエルが神の裁きと憐れみ、そして終末における救済を告げる旧約聖書の預言書です。物語は、凄まじい蝗害と深刻な干ばつによって土地と神殿が荒廃した惨状の描写から始まり、ヨエルは民や祭司たちに断食と真の悔い改めを呼びかけます。続いて、恐るべき軍勢の侵略を伴う「主の日」の到来が警告されますが、同時に神の慈悲を求めて心から立ち返るよう促されます。神はこれに応えて民を憐れみ、土地の回復と豊かな実りを約束するだけでなく、すべての肉なる者に神の霊を注ぐという約束を与えます。最終的に、神の民を虐げた諸国はヨサファテの谷で裁きを受け、ユダとエルサレムには永遠の祝福と平和がもたらされます。
宗教・神学4 チャンク · §1.1-1.20–§3.1-3.21424 対訳文読む →ヨナ書
Jonah本作は、預言者ヨナが神の命令と神の慈悲、そして自身の異邦人に対する感情との間で葛藤する姿を描いた物語である。神からアッシリアの都市ニネヴェへと赴き警告を伝えるよう命じられたヨナは、その任務から逃れるために船で西へと逃亡するが、神が引き起こした大嵐に遭遇して海に投げ込まれてしまう。巨大な魚の腹の中で三日三晩を過ごし、祈りを通じて救い出されたヨナは、ついにニネヴェへと向かい、神の裁きを告げる。ニネヴェの住民や王がこの警告を受け入れて断食し、悔い改めたため、神は災いを下すのを思いとどまる。しかし、敵国が救われたことに憤慨するヨナに対し、神はトウゴマの木を一夜にして枯らす奇跡を起こす。ヨナが日よけの木を惜しんだことを通して、神は自らがニネヴェの多くの人々や家畜を惜しむことの正当性を問いかけ、神の普遍的な慈悲を示して物語は幕を閉じる。
宗教・神学4 チャンク · §1.1-1.16–§4.1-4.11228 対訳文読む →哀歌
Lamentations本作は、エルサレムの崩壊とそれに伴う凄惨な荒廃を悼む、全五章からなる哀歌集です。第一章と第二章では、かつて栄華を極めた都の寂寞とした惨状や人々の飢餓が、神の正義の裁きによるものとして哀切に描かれます。続く第三章では、語り手が自らの苦難を通して主の裁きと深き憐れみを瞑想し、民に対して罪を悔い合わせて神に立ち返るよう強く呼びかけます。第四章では支配層の没落や同盟国の裏切りが歌われ、最後の第五章では、過酷な現状を訴えつつも、永遠なる神の支配に信頼し、共同体の回復と再興を懇願する祈りで結ばれます。絶望的な状況下での深い痛悔と、神への揺るぎない希望への転換が描かれています。
宗教・神学5 チャンク · §1.1-1.22–§5.1-5.221,107 対訳文読む →エレミヤの手紙
Letter of Jeremiah本作は、バビロンへの捕囚を控えたユダヤ人たちに向けて、預言者が送った手紙の形式をとる宗教的・神学的な作品です。主題は、異教の地バビロンで崇拝されている金、銀、木で作られた偶像がいかに無力で虚しいものであるかを論証し、それらを恐れないよう警告することにあります。前半では、偶像が人間の手によって作られ、手入れや修復を必要とし、自ら動くこともできない人工物にすぎないことが克明に描写されます。中盤では、神殿の供え物が神官たちに横領される様子や、異教の不合理な儀礼の欺瞞が暴露され、それらを神と呼ぶことの愚かさが多角的に論じられます。後半では、太陽や星、風や雨といった自然現象が神に従順であることと偶像の無力さが対比され、偶像がいかに役に立たないかが説かれます。最終的に、義なる人々はこのような虚しい偶像を避け、恐れてはならないという確固たる教訓をもって締めくくられます。
宗教・神学3 チャンク · §1-24–§50-72351 対訳文読む →マラキ書
Malachi本作は、主(神)とイスラエルの民、とりわけ祭司たちとの対話を通じて、神への不忠実と不義、そして来たるべき審判と救いを描いた預言書である。物語は、主がイスラエルへの愛を表明しつつも、不完全な犠牲を捧げて神の名を軽んじる祭司たちを厳しく糾弾することから始まる。続いて、かつてのレビの契約に対する不忠実、同胞や妻への裏切り、異邦の神との結婚といった、信仰と社会秩序の乱れが鋭く批判される。その後、主の使者が到来してレビ人を清め、不法を行う者を裁く一方で、敬虔な者には約束と救いが与えられることが予告される。最終的に、悪人が滅ぼされ、神を恐れる者に癒やしがもたらされる「審判の日」の到来が語られ、預言者エリヤの派遣とモーセの律法への遵守を命じて本作は幕を閉じる。
宗教・神学4 チャンク · §1.1-1.14–§4.1-4.6425 対訳文読む →ミカ書
Micah本書は、紀元前8世紀の預言者ミカに下された神の言葉を記した旧約聖書の預言書です。サマリアとエルサレムをはじめとするイスラエルの指導者や偽預言者たちの社会的不正と偶像崇拝を厳しく糾弾し、神による恐るべき審判と荒廃を宣告します。しかし、単なる滅亡の宣告にとどまらず、将来ベツレヘムから新たな支配者が現れ、散らされた民が再び集められて平和がもたらされるという希望の預言も語られます。中盤では、神がイスラエルに対して訴訟を起こし、形ばかりの犠牲ではなく「正義を行い、慈愛を愛し、へりくだって神と歩むこと」を求める法廷論争が繰り広げられます。最後は、社会の腐敗を嘆きつつも、神の慈悲と罪の赦し、そして父祖たちとの契約への忠実さを信じて祈りを捧げ、神への揺るぎない信頼のうちに締めくくられます。
宗教・神学7 チャンク · §1.1-1.16–§7.1-7.20660 対訳文読む →ナホム書
Nahum『ナホム書』は、アッシリアの首都ニネベの陥落と破滅を主題とした聖書の預言書です。預言者ナホムは、神(ヤハウェ)の激しい怒りと恐るべき審判がニネベに下る一方で、抑圧されてきたユダの人々には救いと平和がもたらされることを告げます。作品の前半では、神の威光と、敵を滅ぼす主の性質が力強く描写されます。中盤では、包囲されたニネベに敵が侵入し、かつて「獅子の洞穴」のように恐れられた都市が略奪され、崩壊していく様子が臨場感あふれる表現で描かれます。後半では、ニネベが犯した残虐行為や偽りが暴かれ、かつて滅びたテーベの例を挙げながら、どのような要塞や軍隊も神の裁きを免れ得ないことが示されます。最終的に、ニネベの王や指導者たちは倒れ、その回復不能な破滅を周囲の諸民族が歓喜する中で、この預言は幕を閉じます。
宗教・神学3 チャンク · §1.1-1.15–§3.1-3.19273 対訳文読む →オバデヤ書
Obadiah本作は、旧約聖書に収められた小預言書の一つであり、預言者オバデヤに下された神の託宣を記録した書物である。主題は、隣国エドムに対する神の裁きと、イスラエルの回復である。物語はまず、エドムがその地勢的な険しさに依存して傲慢になっていることを指摘し、神によるその没落を預言する。特に、兄弟であるヤコブ(イスラエル)が苦難に直面した際、エドムがそれを傍観し、さらには略奪に加担した不義が厳しく非難される。中盤から後半にかけては、すべての国々に臨む「主の日」が告げられ、エドムには報復が、イスラエルの生存者には救いと領土の回復がもたらされることが示される。最終的に、シオンの山が聖なる場所となり、救う者たちがそこからエドムを治め、国全体が主の支配下に入ることで本作は締めくくられる。
宗教・神学1 チャンク · §1.1-1.2183 対訳文読む →ルツ記
Ruth本作は、飢饉と家族の死という苦難から出発し、異邦人の女性ルツの忠実さと信仰によって、失われた家族の遺産と系譜が再興される物語です。物語の舞台は、飢饉に見舞われたユダのベツレヘムから、モアブの地、そして再びベツレヘムへと移り変わります。主人公のナオミは、モアブの地で夫と二人の息子を亡くし、絶望の中で故郷へと戻ることを決意します。この時、モアブ人である息子の嫁ルツは、強い忠誠心をもって姑ナオミに同行し、ベツレヘムで生計を立てるために落ち穂拾いを始めます。そこでルツは、親族の買い戻し権(ゴエル)を持つ裕福な有力者ボアズと出会い、その誠実さから特別な保護を受けます。ナオミの機知に富んだ指示のもと、ルツはボアズに法的な救済を願い出ます。最終的にボアズは正式な手続きを経てルツを妻に迎え、二人の間に生まれた子供は、のちのダビデ王へとつながる系図の祖となります。
宗教・神学4 チャンク · §1.1-1.22–§4.1-4.22555 対訳文読む →雅歌
Song of Songs『雅歌』は、愛し合う男女の情熱的な恋慕を美しい詩篇の形で描いた聖書の正典に含まれる詩歌です。物語は主に、シュラムの女性と彼女が愛する男性(時に羊飼いやソロモン王に例えられる)との対話、そして「エルサレムの娘たち」との交わりを通して展開します。二人は互いの肉体的な美しさや内面の魅力を自然の比喩(庭園やブドウ園、花、動物など)を用いて熱烈に称え合います。途中で、夜の街でのすれ違いや捜索、婚礼の様子といったドラマチックな場面を挟みつつ、二人の絆は深まっていきます。終盤では、愛の力は死のように強く、どんな富によっても買い取れないものであることが高らかに宣言されます。最後は、再び互いを呼び交わし、野山を駆ける姿を連想させる対話をもって歌全体が締めくくられます。
宗教・神学8 チャンク · §1.1-1.17–§8.1-8.14703 対訳文読む →スザンナ書
Susanna本作は、美しく敬虔な女性スザンナが直面した不条理な試練と、神の介入による救済を描いた旧約聖書ダニエル書補遺(外典)の物語である。舞台はバビロンで、スザンナは二人の不義な長老から姦淫を迫られるが、信仰を守るためにこれを断固として拒絶する。逆恨みした長老たちは、彼女が若い男と不義を働いたという虚偽の告発を行い、スザンナは死刑を宣告されてしまう。絶体絶命の危機に瀕した彼女が神に無実を訴えると、神は少年ダニエルに聡明さの霊を注いで彼を遣わす。ダニエルは二人の長老を個別に尋問し、目撃したという木の種類を巡る証言の矛盾を暴いて、見事に偽証を証明する。最終的にスザンナの無実は明らかとなり、不法な長老たちには死刑が下され、正義と神への信仰が称えられる。
宗教・神学2 チャンク · §1.1-1.35a–§1.36-1.62b263 対訳文読む →スザンナ書(テオドティオン版)
Susanna (Theodotion's version)本作は、美しく敬虔な既婚女性スザンナが、不当な告発から神の助けによって救われる物語を描いた宗教的散文作品である。裕福なヨヤキムの妻スザンナは、その美しさゆえに民の二人の長老から情欲を抱かれ、肉体関係を迫られる。彼女が貞潔を守るためにこの要求を拒絶すると、長老たちは彼女が姦通を犯したという虚偽の告発を行い、彼女を死刑に陥れようとする。裁判においてスザンナに死刑が宣告されるが、神によって知恵を呼び起こされた少年ダニエルが介入する。ダニエルは二人の長老を個別に尋問することで、彼らの証言の矛盾を突き、偽証を暴き出す。最終的にスザンナの無実が証明されて彼女の命は救われ、神の正義とダニエルの知恵が称えられる結末となる。
宗教・神学2 チャンク · §1.1-1.33–§1.34-1.64323 対訳文読む →トビト記
Tobit本作は、アッシリアの捕囚期における敬虔なユダヤ人トビトとその家族の苦難と救いを描いた物語である。ニネベに暮らすトビトは、慈善を施しながらも失明し、一方メディアのサラは悪霊によって夫たちを失うという悲劇に見舞われ、ともに神に死を祈る。彼らの祈りに応えて遣わされた天使ラファエルは、素性を隠してトビトの息子トビアの旅に同行する。トビアは旅の途中で巨大な魚を捕らえて薬とし、サラと結婚して悪霊を退け、父の資産を回収する。帰郷したトビアが魚の胆汁で父の目を治すと、ラファエルは正体を明かして天に帰る。最後は、トビトによる神への賛美とエルサレム復興の預言、そして次世代の平安が語られて物語は幕を閉じる。
宗教・神学14 チャンク · §1.1-1.22–§14.1-14.151,604 対訳文読む →ゼカリヤ書
Zechariah本書は、バビロン捕囚から帰還したイスラエルの民に対し、神殿再建の励ましと将来のエルサレムの復興、そして終末的な救済を告げる預言書です。預言者ゼカリヤを語り手とし、主に前半の多様な幻(ヴィジョン)と神託、後半の詩的な預言という形式で構成されています。物語はまず、過去の不従順を悔い改める呼びかけから始まり、大祭司ヨシュアや指導者ゼルバベルを励ます「八つの幻」を通じて、神殿の再建と都の安全が約束されます。中盤では、形式的な断食ではなく正義と慈愛の実践が求められ、エルサレムが平和に満ちた都へと回復することが示されます。後半に入ると、平和の王の到来や離散した民の集結が語られる一方で、不忠実な羊飼いによる契約の破棄や、エルサレムを巡る激しい戦いといった苦難も予言されます。最終的には、主の直接的な介入によって敵対勢力が打ち破られ、生き残った諸国の民がエルサレムに集い、すべてが神に対して聖なるものとされる大いなる調和の中で結ばれます。
宗教・神学14 チャンク · §1.1-1.21–§14.1-14.211,169 対訳文読む →ゼファニヤ書
Zephaniah本書は、預言者ソフォニア(ゼファニア)を通じて示された、主の激しい裁きと、それに続く救いと回復の約束を伝える聖書の預言書である。物語は、偶像崇拝や不誠実な信仰に沈むユダとエルサレムに対し、全地を焼き尽くす「主の大いなる日」が迫っているという恐ろしい警告から始まる。預言者は民に対して主の怒りが下る前に悔い改めと義を求めるよう促すとともに、フィリスティアやアッシリアといった周辺の諸国にも同様の破滅が及ぶことを宣言する。最終的には、不従順なエルサレムへの警告を経て、裁きの後に清められた民が再び主を礼拝し、イスラエルの残された者が救い出されて大いなる喜びを迎えるという約束で締めくくられる。
宗教・神学3 チャンク · §1.1-1.18–§3.1-3.20307 対訳文読む →

