アリストパネス
Aristophanes
ギリシア語 · 演劇 · 喜劇
11 作品 · 42,674 対訳文
アカルナイの人々
Acharnians本作は、ペロポネソス戦争下のアテナイを舞台に、戦争の不条理に抗う一人の農民が個人的な平和を勝ち取る姿を描いた古代ギリシアの風刺喜劇です。主人公の農民ディカイオポリスは、引き延ばされる戦争と役人たちの欺瞞に失望し、自らスパルタと三十年の個人和平条約を結びます。この暴挙に激怒した好戦的なアカルナイの老人たちが彼を襲撃しますが、ディカイオポリスは悲劇作家エウリピデスから物乞いの衣装を借りて巧みに弁明し、戦争の真の原因がアテナイの失政にあることを暴きます。その後、彼は自身の自由市場を開放し、敵国であったメガラやボイオティアの商人たちと平和に交易を行います。結末では、戦場で惨めに負傷して帰還した将軍ラマコスと、美味佳肴を堪能して勝利の歌を歌うディカイオポリスが鮮やかに対比され、個人の生と平和の歓びがユーモラスに祝福されながら幕を閉じます。
演劇14 チャンク · §1-87–§1127-12343,369 対訳文読む →女の議会
Assemblywomen本作は、アテナイの女性たちが男装して民会を占拠し、国家の統治権を掌握することから始まる、喜劇作家アリストパネスによる古代ギリシア喜劇です。主人公のプラクサゴラ(Praxagora)率いる女性たちは、入念な準備と演説の練習を経て民会を乗っ取り、国家の管理権を女性に委ねるという決議案を可決させることに成功します。指導者となったプラクサゴラは、市民に衣食住の完全な平等をもたらす財産共有制度と、誰もが不公平なく性的欲求を満たせる新しい法を布告します。この一見理想的な新体制のもとで、財産を出し渋りながら食事だけを得ようとする男や、法を盾に若い男を無理やり引きずっていく醜い老女たちが引き起こす大騒動が、滑稽かつ皮肉たっぷりに描かれます。最終的に、すべてが共有化された盛大な宴会への招待とともに、一同が勝利を祝いながら食事へと向かう祝祭的な結末を迎えます。
演劇15 チャンク · §1-85–§1096-11833,575 対訳文読む →鳥
Birds本作は、煩わしい現実の社会から逃れた人間が、鳥たちとともに天上に理想の空中都市を築き上げる壮大な喜劇です。アテナイの厄介な訴訟や公的義務に嫌気がさしたピステタイロスとエウエルピデスは、平穏な新天地を求めて鳥の王テレウス(ヤツガシラ)を訪ねます。ピステタイロスは鳥たちに対し、天と地の間に巨大な都市「ネペロコックギア(雲の上のカッコー市)」を建設し、神々を兵糧攻めにして世界の主権を奪還する計画を提案します。当初は人間を敵視していた鳥たちもこの壮大な計画に賛同し、ともに堅固な城壁を築き上げます。新都市の完成とともに、地上から利権を狙う怪しげな人間たちが大挙して押し寄せますが、ピステタイロスは彼らを容赦なく追い払います。さらに、人間からの供物が途絶えて飢えに苦しむ神々の使節団が和睦交渉に訪れると、彼は見事な交渉術でゼウスの王権と全宇宙の支配権を象徴する女神バシレイアを勝ち取ります。最後は、ピステタイロスとバシレイアの盛大な婚礼が執り行われ、新たな王と鳥たちの繁栄を祝福する喜びに満ちた歌の中で幕を閉じます。
演劇22 チャンク · §1-73–§1666-17654,584 対訳文読む →雲
Clouds本作は、息子の馬道楽による多額の借金に苦しむ父親が、詭弁術を用いて返済を免れようと画策する喜劇です。舞台はアテナイで、田舎出身の父親ストレプシアデスは、哲学者ソクラテスが主宰する「思考所(ポントニステリオン)」を訪れ、借金を逃れるための弁論術を学ぼうとします。最初は自ら入門したストレプシアデスでしたが、奇妙な科学的探求や新興の神々である「雲」の教えに困惑し、ついには物覚えの悪さから破門されてしまいます。代わりに息子フェイディッピデスを説得して入学させ、「劣った論理(ロゴス)」の教育を学ばせることに成功します。息子が身につけた詭弁により一度は債権者たちを撃退して歓喜する父親でしたが、その息子から暴力を振るわれ、さらに母親を殴ることさえも詭弁で正当化されるに至り、自身の過ちに気づきます。最後は伝統的な信仰をないがしろにしたことを後悔し、ソクラテスの「思考所」を焼き討ちにするという破滅的な結末を迎えます。
演劇19 チャンク · §1-82–§1432-15114,251 対訳文読む →騎士
Knights本作は、アテナイの民衆を擬人化した主人デモスの寵愛と支配権をめぐり、現体制の支配者である悪徳政治家パフラゴニア人と、突如現れた身分の卑しいソーセージ売りが激しい闘争を繰り広げる喜劇です。虐げられた召使いたちが盗み出した神託により、ソーセージ売りこそが次なる支配者になると予言され、彼は貴族階級の「騎士たち」からなる合唱隊の支援を受けて政治の舞台に引きずり出されます。中盤では、二人の間でどちらがより厚顔無恥でデモスに媚びへつらえるかを競う、言葉の暴力や神託の解釈合戦、豪華な供物の献上競争が滑稽かつ過激に描かれます。最終的にソーセージ売りが勝利してパフラゴニア人を失脚させ、自らの真の名がアゴラクリトスであることを明かします。結末では、彼は魔法のようにデモスを若返らせてかつての栄光あるアテナイの姿に蘇らせ、改心したデモスと共に新たな国政の歩みを始めます。
演劇18 チャンク · §1-82–§1332-14093,934 対訳文読む →女の平和
Lysistrata本作は、長引く戦争を終わらせるためにギリシアの女性たちが立ち上がる様子を描いた古代ギリシアの喜劇です。主人公のアテナイの女性リュシストラテ(Lysistrata)は、ギリシア各地の女性を集め、戦争終結を目的とした「セックス・ストライキ」と同盟の誓いを提案し、最年長の女性たちとともにアクロポリスを占拠します。男性たちが力ずくで彼女たちを排除しようとする中、リュシストラテは女性による国家管理の正当性を理路整然と主張し、行政官を圧倒します。劇中では、性的な欲求不満に苦しむ女性たちの脱走騒ぎや、夫を焦らす誘惑作戦がユーモラスに描かれます。やがて限界に達したスパルタとアテナイの使節が和平を懇願し、擬人化された「和解(ディアラゲー)」の仲介によって両国はついに和平合意に至ります。最後は男女の対立も解消され、敵味方双方が手を取り合って神々を讃え、祝宴の踊りで大団円を迎えます。
演劇16 チャンク · §1-79–§1212-13203,795 対訳文読む →平和
Peaceアテナイとスパルタの長期にわたる戦争で疲弊したギリシャを舞台に、平和を取り戻そうとする一人の農夫の奇想天外な冒険を描いた喜劇です。主人公である農夫トリュガイオスは、巨大なフンコロガシに乗って天界のゼウスに直接平和を嘆願するために飛び立ちます。天界に到着した彼は、神々がギリシャ人を見捨てて去ってしまい、戦神ポレモスが平和の女神エイレネを洞窟に閉じ込めたという事実を知ります。トリュガイオスはヘルメス神を味方に引き入れ、ギリシャ全土の農民や民衆と力を合わせて、ついに女神を救い出します。地上に帰還した彼は、人々とともに平和の到来を祝福し、戦争で利益を得ていた武器商人たちをユーモラスにからかって追い払います。作品は、平和の象徴である女神の侍女と挙げる賑やかな婚礼の宴とともに、喜びの中で幕を閉じます。
演劇16 チャンク · §1-78–§1268-13573,810 対訳文読む →蛙
The Frogs演劇の神ディオニュソスが、凡庸になった地上の演劇を救うため、亡き偉大な悲劇詩人を冥界から連れ戻そうと旅立つことから始まる喜劇です。ディオニュソスは奴隷のクサンティアスを伴い、ヘラクレスの格好をして冥界へと向かいますが、道中では渡し守カロンや騒がしいカエルの合唱、変装を巡るドタバタ劇に巻き込まれます。無事に冥界へ到着すると、そこでは先に世を去った二大悲劇詩人、アイスキュロスとエウリピデスが「悲劇の王座」を巡って激しい論争を繰り広げていました。ディオニュソスは審判役となり、詩の平明さや市民への教化、さらには天秤を使った詩の一行ごとの「重さ」の測定まで、多角的な基準で二人を対決させます。最終的に、アテナイ国家の救済策という政治的な問いかけを経て、ディオニュソスは自らの心に従い、伝統を重んじるアイスキュロスを勝者として選び、彼を連れて地上へ帰還することを決意します。
演劇18 チャンク · §1-73b–§1442-15334,098 対訳文読む →蜂
Wasps本作は、当時のアテナイで深刻化していた市民の裁判依存症と、それを利用する煽動政治家たちの欺瞞を鋭いユーモアで描いたギリシア喜劇です。裁判中毒の老人フィロクレオンと、父を監禁してその奇妙な病を治療しようとする息子ブデリュクレオン、そしてスズメバチに扮した強硬な老陪審員たちの合唱隊(コーラス)が騒動を繰り広げます。物語の前半では、脱出を図る父親とそれを阻止する息子のコミカルな攻防、そして裁判のあり方をめぐる激しい対論(アゴーン)が展開され、父親は自分が政治家に搾取されている現実に直面します。これを受けて後半では、家の中から出られない父親のために、チーズを盗んだ飼い犬を被告とする奇想天外な「家庭内裁判」が執り行われます。最終的に法廷への執着から解放された父親は、息子に導かれて上流階級の社交界へと足を踏み入れますが、今度は泥酔して暴れ回り、最後は狂乱のダンスを踊って退場するという、風刺に満ちた破天荒な結末を迎えます。
演劇20 チャンク · §1-83–§1440-15374,003 対訳文読む →プルートス
Wealth本作は、アテナイの貧しい農夫クレミュロスが、富の分配の不平等を解消しようと奮闘する喜劇である。アポロンの神託に従った彼は、道で出会った盲目の老人が「富の神」プルートス(Ploutos)であることを知る。クレミュロスは、プルートスが視力を取り戻せば、悪人ではなく善人に富が行き渡るようになると考え、治療を計画する。途中、全員が富めば労働が行われなくなると警告する「貧困」(ペニア)の女神との激しい弁論を経て、見事にプルートスの視力を回復させる。その結果、社会は一変し、正直な者が豊かになる一方で、悪徳な密告者やかつて富で若者を引きつけていた老婆らが不満を漏らす。最終的には、人間から生贄を捧げられなくなったオリンポスの神々までもが職を求めてクレミュロスたちのもとに現れ、一同はプルートスをアクロポリスの神殿へ遷座する厳かな行列で作品を締めくくる。
演劇16 チャンク · §1-76–§1135-12093,853 対訳文読む →テスモポリア祭りを営む女たち
Women at the Thesmophoria本作は、女性を悪しざまに描くとして女性たちから恨みを買った悲劇詩人エウリピデスが、自らの身を守るために奔走する姿を描いた喜劇です。舞台は女性のみが参加を許される厳粛なテスモポリア祭であり、エウリピデスは親戚の男を女装させて女性たちの集会へスパイとして潜入させます。しかし、男はエウリピデスを擁護しようとするあまり余計な暴露を行い、男であることが露見して捕らえられてしまいます。拘束された男は、救出を試みるエウリピデスとともに、当時の有名な悲劇作品のパロディを次々と演じながら脱出を図ります。最後は、エウリピデスが女性たちと和解協定を結び、監視の兵をだます機知に富んだ策略を用いて無事に親戚を救出します。
演劇15 チャンク · §1-80–§1154-12313,402 対訳文読む →

