第1歌 ディオニュソス讃歌
Homeric Hymn 1 to Dionysus本作は、ギリシア神話の酒と豊穣の神ディオニュソスの誕生と、彼に与えられた神聖な栄誉を称える叙事詩形式の讃歌です。詩の冒頭では、神の誕生の地を巡るドラカノンやナクソスといった様々な異説が提示されますが、それらはすべて否定されます。真の誕生地は、フェニキアに近い、緑豊かなニュサの山であると明かされます。そこであらゆる神々の父ゼウスは彼を産み落とし、人類からの大きな栄誉を約束しました。最後は、詩人が神と母セメレを称えるとともに、その好意を求める祈りをもって歌を締めくくります。
詩歌1 チャンク · §1-2147 対訳文読む →第10歌 アプロディテ讃歌
Homeric Hymn 10 to Aphrodite本作は、ギリシア神話における愛と美の女神アプロディーテーを称える、全6行からなる短いホメーロス風讃歌です。詩人はまず、キプロス島で生まれたとされる女神の優美な姿と、彼女が支配する聖なる地を讃えます。女神が人々にもたらす甘い贈り物と、その魅力的な微笑みが簡潔かつ鮮やかに描き出されます。最後に詩人は、女神に自らの歌への加護とインスピレーションを求めます。そして、この短い賛辞を終えたのち、また次の新しい歌へと進むことを誓って詩を締めくくります。
詩歌1 チャンク · §1-615 対訳文読む →第11歌 アテナ讃歌
Homeric Hymn 11 to Athena本作は、ギリシア神話の知恵と戦争の女神アテナに捧げられた非常に短い賛歌です。詩はまず、アテナを「都市の守護者」として讃えることから始まります。彼女が軍神アレスとともに、恐ろしい戦争の営みを司る存在であることが示されます。特に、軍勢が戦いへと出征していく際、そして無事に帰還する際の双方において、アテナが人々を保護することが強調されます。最後に、詩人は女神に敬意を表し、自分たちに幸運と繁栄をもたらしてくれるよう祈願して歌を締めくくります。
詩歌1 チャンク · §1-511 対訳文読む →第12番 ヘラ讃歌
Homeric Hymn 12 to Hera本作は、ギリシア神話の最高女神ヘーラーを讃える、ごく短いホメーロス風讃歌です。詩は、黄金の玉座に座すヘーラーの出生と、彼女の並外れた美しさを称えることから始まります。さらに、彼女が主神ゼウスの姉妹であり、同時にその正妻であるという崇高な立場が強調されます。オリンポスの神々が、雷を操るゼウスと同様に、彼女に対しても等しく深い敬意と畏敬の念を捧げる様子が生き生きと描写されます。全5行という短い叙事詩的韻文の中で、天上の女王としてのヘーラーの至高の権威と神聖な威厳が、簡潔ながらも凝縮されて表現されています。
詩歌1 チャンク · §1-56 対訳文読む →第13歌 デメテル讃歌
Homeric Hymn 13 to Demeter本作は、豊穣の女神デーメーテールとその娘ペルセポネーに捧げられた、非常に簡潔な讃歌である。詩の冒頭において、歌い手は美しい髪を持つデーメーテールと、その愛娘ペルセポネーへの歌を歌い始めることを宣言する。続いて歌い手は、女神に対して特定の都市を保護し守護するよう祈りを捧げる。さらに、自らの歌い出す歌を女神が先導し、導いてくれるよう懇願する。このように本作は、短い詩形の中に、神々への敬意と共同体の安全、そして歌の成功への願いが凝縮された作品となっている。
詩歌1 チャンク · §1-311 対訳文読む →第14歌 神々の母への讃歌
Homeric Hymn 14 to the Mother of the Gods本作は、すべての神々と人間の母である女神を讃える、わずか6行からなる短いホメーロス風讃歌です。詩人はまず、詩の女神ムーサたちに対して、この偉大な女神を歌い上げるよう呼びかけます。讃歌の中で神々の母は、カスタネットや太鼓の響き、そしてフルートの音を好む存在として描かれています。さらに彼女は、狼の遠吠えや獰猛な獅子の咆哮、そして樹木の生い茂る山々を愛する、自然と野生の守護者としても紹介されます。短い詩の最後において、語り手は女神に挨拶を送り、敬意を表して歌を締めくくります。
詩歌1 チャンク · §1-610 対訳文読む →第15歌 ヘラクレス讃歌
Homeric Hymn 15 to Heracles本作は、ゼウスとアルクメネの間に生まれた偉大な英雄ヘラクレスの生涯と神格化を称える短い讃歌である。詩は、ヘラクレスがテーバイで誕生した背景から始まり、彼が地上で経験した数々の試練を振り返る。彼はエウリュステウス王の命に従い、大地や海の果てまで旅をして多くの困難な冒険を成し遂げた。しかし、その過酷な苦難の末に、ヘラクレスは神としてオリンポス山へと迎えられる。現在、彼はオリンポスの地で永遠の若さを司る女神ヘベを妻に迎え、幸福に満ちた暮らしを送っている。最後に詩人はヘラクレスに語りかけ、彼に敬意を表するとともに、自身への美徳(アレテー)と富(オルボス)の授与を祈願して作品を締めくくる。
詩歌1 チャンク · §1-915 対訳文読む →第16歌 アスクレピオス讃歌
Homeric Hymn 16 to Asclepius本作は、ギリシア神話における医術の神アスクレピオスを讃える、わずか5行からなる短い「ホメーロス風讃歌」である。詩は、アスクレピオスが光の神アポロンと、ドティオン平原の王の娘コロニスの間に生まれたという、その出自と誕生の地を明らかにすることから始まる。彼は人々に病の苦しみからの救いをもたらす「苦痛の癒やし手」として称えられている。最後は、神への親愛を込めた呼びかけと、歌を通じた庇護の祈願をもって簡潔に締めくくられる。
詩歌1 チャンク · §1-516 対訳文読む →第17歌 ディオスクロイ讃歌
Homeric Hymn 17 to the Dioscuri本作は、ギリシア神話の双子の英雄ディオスクロイ(カストルとポリュデウケス)を讃える、ごく短い「ホメーロス風讃歌」の一編です。詩は、抒情的な韻文の形式で、スパルタの地と結びついた双子の神聖な誕生の系譜を語ることから始まります。ゼウスとレダの間に生まれた彼らは、人間を救う強力な守護者として描写され、とりわけ航海者たちを嵐から救う存在として讃えられます。短い歌の結びにおいて、詩人は双子の神々に挨拶を送り、次の歌へと歌い継ぐ決意を述べて幕を閉じます。
詩歌1 チャンク · §1-510 対訳文読む →第18歌 ヘルメスへの讃歌
Homeric Hymn 18 to Hermes本作は、伝令の神ヘルメスを称える「ホメロス風讃歌」の第18番であり、全12行からなる短い叙事詩風の賛歌です。歌はまず、ヘルメスの誕生の起源と、彼の母である麗しい髪のニンフ、マイアを称えることから始まります。ゼウスが妻ヘラの目を盗み、夜の暗闇に紛れてマイアと交わったことで、神々の使者たるヘルメスが誕生したという神話が簡潔に語られます。短い作品ながらも、神の起源と系譜が鮮やかに描かれているのが特徴です。最後は、ヘルメスへの親愛の情を込めた挨拶が捧げられ、語り手が次の歌へと移行することを宣言して締めくくられます。
詩歌1 チャンク · §1-1225 対訳文読む →第19歌 パン讃歌
Homeric Hymn 19 to Pan本作は、ギリシア神話における牧獣と自然の神パンを讃える叙事詩風の賛歌です。詩はまず、ヘルメスを父とするパンの誕生の経緯と、山羊の足と角を持つというその奇妙な風貌を描きます。続いて、彼がニンフたちを率いて緑豊かな山野や岩場を駆け巡り、甘美な音色の葦の笛(シランクス)を奏でて歌い踊る、活気に満ちた姿が描写されます。最後には、父ヘルメスによってオリンポス山へと連れて行かれたパンが、その愛嬌と音楽で神々一同を大いに喜ばせ、そこから「すべて(パン)」を喜ばせる者という名が付けられた由来が明かされます。自然の生命力と神々の歓喜に満ちた、短いながらも躍動感あふれる作品です。
詩歌1 チャンク · §1-4989 対訳文読む →第2歌 デメテル讃歌
Homeric Hymn 2 to Demeter本作は、豊穣の女神デメテルと娘ペルセポネの離合、そしてエレウシスの秘儀の起源を描いた叙事詩的な賛歌です。物語は、ペルセポネが冥界の王ハデスにさらわれ、悲嘆に暮れたデメテルが手がかりを求めて地上を彷徨う場面から始まります。ゼウスの関与を知って激怒したデメテルは、オリンポスを去って人間の姿に身をやつし、エレウシスの地で人間の幼子を不死にしようと試みますが、母親の無理解から激怒し、自らの正体を明かして神殿を建てさせます。デメテルがその神殿に籠もって大地に深刻な飢饉をもたらしたため、人類の滅亡を恐れたゼウスは仲裁に乗り出します。ペルセポネは地上へ戻ることを許されますが、冥界でザクロの種を口にしていたため、一年のうち一定期間を冥界で過ごさねばならない運命となります。最終的に母娘は再会を果たし、デメテルは大地に実りを取り戻すとともに、エレウシスの人々へ神聖な秘儀を伝授してオリンポスへと帰還します。
詩歌7 チャンク · §1-73–§426-495855 対訳文読む →第20歌 ヘパイストス讃歌
Homeric Hymn 20 to Hephaestus本作は、工芸と火の神ヘファイストスを称える短い讃歌です。詩人はまず、澄んだ声を持つムーサに対して、ヘファイストスについて歌うよう呼びかけます。詩の中で、ヘファイストスは女神アテネとともに、かつて野獣のように洞窟で暮らしていた人類に輝かしい技術を授けた存在として描かれます。神々から技術を教わったことで、人類は文明的な生活を営み、自らの家の中で安穏と暮らすことができるようになりました。最後は、ヘファイストスに慈悲を求め、幸福と繁栄を祈願する言葉で締めくくられます。
詩歌1 チャンク · §1-820 対訳文読む →第21歌 アポロン讃歌
Homeric Hymn 21 to Apollo本作は、ギリシア神話の光と芸術の神アポローン(ポイボス)を讃える、ごく短い叙事詩的な讃歌です。詩の舞台には、テッサリア地方のペネイオス川が静かに登場します。そこでは、翼を羽ばたかせて川岸に舞い降りる白鳥が、美しい声で神アポローンを讃えて歌う様子が描かれます。同時に、澄んだ竪琴の音とともに歌う人間の詩人(歌い手)もまた、神を最初と最後に歌う存在として重ね合わされます。このように自然界の生き物と人間が一体となって神への賛美を捧げることが、詩の主題となっています。最後は、神への親愛に満ちた挨拶と、詩人への慈悲を求める懇願をもって締めくくられます。
詩歌1 チャンク · §1-513 対訳文読む →第22歌 ポセイドン讃歌
Homeric Hymn 22 to Poseidon本作は、海の支配者である神ポセイドンを称える、古代ギリシアの短いヘクサメトロス(長短格六歩格)の讃歌です。詩はまず、語り手による詩神(ムーサ)への呼びかけから始まります。続いて、広大な海とヘリコン山を支配するポセイドンの偉大な権能が示されます。特に、神々から彼に授けられた二つの重要な役割、すなわち荒ぶる馬を調教することと、海を行く船を安全に守護することが強調されます。最後に、航海者たちの無事と加護をポセイドンに祈願し、深い敬意を捧げて詩は結ばれます。
詩歌1 チャンク · §1-716 対訳文読む →第23歌 ゼウス讃歌
Homeric Hymn 23 to Zeus本作は、ギリシア神話の最高神ゼウスを讃える、わずか4行からなる短い「ホメーロス風讃歌」の一篇です。叙事詩の形式で詠まれたこの詩は、ゼウスを神々の中で最も偉大で優れた支配者として描き出します。詩の中では、ゼウスが正義を司る女神テミス(Themis)と親密に寄り添い、語り合う様子が描写されています。最終的に詩人は、この至高の神に向けて自らへの慈悲と加護を求める祈りを捧げ、簡潔ながらも厳かな賛美を締めくくります。
詩歌1 チャンク · §1-411 対訳文読む →第24歌 ヘスティア讃歌
Homeric Hymn 24 to Hestia本作は、家庭や神殿の炉を司る女神ヘスティア(Hestia)を称え、その加護を求める短い叙事詩風の讃歌です。詩人はまず、世界の中心とされるデルポイの聖地において、アポロンの神殿にある神聖な炉を守護するヘスティアの気高い姿を称賛します。続いて、彼女の髪から滴る香油に触れつつ、最高神ゼウスとともにこの家を訪れるよう熱心に招き入れます。最後に、自らが紡ぐ歌に神聖な恵みと美がもたらされることを祈願して、詩は締めくくられます。非常に簡潔な構成ながら、神聖な空間の結びつきと詩的インスピレーションへの懇願が凝縮された作品です。
詩歌1 チャンク · §1-58 対訳文読む →第25歌 ムーサたちへの讃歌
Homeric Hymn 25 to the Muses and Apollo本作は、ミューズたち、アポロン、そしてゼウスを讃える短いヘクサメトロス(長短格六歩格)の賛歌です。語り手は、地上に存在する詩人や竪琴弾きがミューズたちとアポロンに由来し、王たちがゼウスに由来することを宣言します。これによって、人間の文化的な営みや支配者の権威が神聖な起源を持つことが示されます。最後に語り手は、女神たちに挨拶を捧げて歌を締めくくり、次の歌へと移行することを告げます。
詩歌1 チャンク · §1-721 対訳文読む →第26歌 ディオニュソス讃歌
Homeric Hymn 26 to Dionysus本作は、豊穣と葡萄酒の神ディオニュソス(Dionysus)を讃える短い叙事詩風の賛歌です。詩は、アイヴィーの冠を戴く神の誕生と、ニサの谷の美しい髪のニンフたちによる養育の場面から始まります。父親であるゼウスの意向を受け、ニンフたちに大切に育てられたディオニュソスは、やがて成長して神々の列に加わります。彼は森の中を先導し、ニンフたちの歓声に包まれながら、緑豊かな木々や森を練り歩きます。最後に詩人は、神がもたらす豊かな実りと、毎年執り行われる祭儀への恩恵を祈願して賛歌を締めくくります。
詩歌1 チャンク · §1-1322 対訳文読む →第27歌 アルテミス讃歌
Homeric Hymn 27 to Artemis本作は、狩猟と処女の女神アルテミスを讃える、叙事詩的韻律で書かれた短い讃歌です。詩の前半では、黄金の矢を携えた女神が、山野を駆け巡り獲物を狩る勇壮で威厳に満ちた姿が活き活きと描かれます。狩りを終えたアルテミスは弓の弦を緩め、デルポイにある兄アポロンの豊かな館へと向かいます。そこで彼女は、ミューズやカリス(美の女神たち)の舞踊を先導し、母レトとその優れた子供たちを讃える優美な歌と踊りを披露します。このように本作は、狩人としての荒々しい側面と、神々の集いにおける優美な側面という女神の二面性を描き出し、彼女とその家族への讃美をもって締めくくられます。
詩歌1 チャンク · §1-2233 対訳文読む →第28歌 アテナ讃歌
Homeric Hymn 28 to Athena本作は、知恵と戦いの女神アテナの誕生を称える叙事詩形式の短い讃歌です。詩はまず、輝かしい武装を身にまとったアテナを称える呼びかけから始まります。彼女が父ゼウスの頭から完全に武装した姿で誕生した瞬間、その凄まじい威容によって天界と自然界は激しく動揺します。大地は鳴り響き、海は逆巻く波で沸き立ち、さらには天空を駆ける太陽神ヘーリオス(Helios)の馬車までもがその動きを一時的に停止させます。この宇宙規模の衝撃が描かれたのち、アテナが神々しい武装を外すことで再び世界の秩序が戻り、父ゼウスが喜ぶ様子をもって詩は締めくくられます。
詩歌1 チャンク · §1-1834 対訳文読む →第29歌 ヘスティア讃歌
Homeric Hymn 29 to Hestia本作は、炉端と家庭の守護女神ヘスティアと、旅や人間の活動を司る神ヘルメスを讃える短い讃歌です。詩はまず、定命の者の家々や神聖なデルポイの神殿において、永遠の火を守り不滅の栄誉を与えられているヘスティアへの呼びかけから始まります。続いて、ゼウスの息子であり幸運をもたらす神ヘルメスが召喚されます。この対照的でありながら相補的な二柱の神々は、人間の営みに対して深い好意を寄せる存在として描かれます。結びとして、両神が手を取り合って人々の家を訪れ、その家庭に祝福と美徳、そして繁栄をもたらすよう懇願する祈りが捧げられます。
詩歌1 チャンク · §1-1424 対訳文読む →第3歌 アポロン讃歌
Homeric Hymn 3 to Apollo本作は、ギリシア神話の光と予言の神アポロンの誕生と、彼の神殿および神託所の設立を歌った叙事詩的な讃歌です。作品は大きく二つの部分に分かれており、前半では母レトが誕生の地を求めて彷徨った末にデロス島でアポロンを出産する経緯と、島での華やかな祭典が描かれます。後半では、成長したアポロンが自身の神託所を設立するためにギリシア各地を巡り、パルナッソス山の麓クリサの地を選び出す旅が描かれます。彼はその地を脅かす大蛇を退治して「ピュト」の地名の起源を作り、さらにクレータ人の船乗りたちをイルカの姿で導いて自身の神殿の神官に任命します。最後は、神官たちに対して不毛の地での暮らしを保証し、神殿の掟を守るよう諭すことで締めくくられます。
詩歌8 チャンク · §1-69–§483-546908 対訳文読む →第30歌 万物の母なる大地への讃歌
Homeric Hymn 30 to Earth本作は、すべての生命の根源であり「万物の母」である大地女神ガイア(Gaia)を讃える叙事詩的な讃歌です。詩人はまず、地上や海中、空中を問わず、あらゆる存在に生命と糧を与える大地の偉大な力を讃えます。続いて、女神の恩恵が人々に豊かな実りや健やかな子供たちをもたらし、秩序ある美しい都市を繁栄させる様子が具体的に描かれます。最後に、神々の母でもあるガイアに対して、この歌への返礼として豊かで幸福な生活を授けてくれるよう祈願します。そして次の歌への移行を告げることで、短いながらも力強い讃歌が締めくくられます。
詩歌1 チャンク · §1-1936 対訳文読む →第31歌 ヘリオス讃歌
Homeric Hymn 31 to Helios本作は、ギリシア神話の太陽神ヘリオスを称え、その天空での神聖な歩みを歌った短い賛歌です。詩はまず、詩神ムーサへの呼びかけから始まり、ヘリオスがヒュペリオンとエウリュパエッサの息子であるという高貴な血統を明かします。続いて、彼が黄金の兜をかぶり、光り輝く戦車に乗って天空を翔ける荘厳で美しい姿が生き生きと描写されます。その神聖な輝きは天と地を照らし出し、世界の暗闇を鮮やかに追い払います。最後に、神への恵みを求める祈りが捧げられ、次に歌われる半神たちの物語への導入をもって、この短い歌は締めくくられます。
詩歌1 チャンク · §1-1934 対訳文読む →第32歌 セレネ讃歌
Homeric Hymn 32 to Selene本歌は、ギリシア神話における月女神セレネ(Selene)を称える叙事詩風の短い讃歌である。詩人はまず、甘い言葉を紡ぐミューズ(ムーサ)たちに対して、天に輝く月女神を歌うよう呼びかける。続いて、セレネが天を運行する際の息をのむような美しさと、彼女の輝きが地を照らす神聖な様子が鮮やかに描写される。また、彼女がゼウスと交わって生んだ美しい娘パンデイア(Pandeia)の存在にも言及される。最後に詩人は、月女神への挨拶を述べた後、次なる歌のテーマである半神の英雄たちの偉業へと移行することを宣言して詩を締めくくる。
詩歌1 チャンク · §1-2026 対訳文読む →第4歌 ヘルメス讃歌
Homeric Hymn 4 to Hermes『ヘルメス讃歌』は、生まれたばかりの悪戯好きで知略に長けた神ヘルメスが、いかにしてオリンポスの神々の中での特権と地位を確立したかを描いた叙事詩です。ヘルメスは誕生したその日に、亀の甲羅から竪琴を発明し、さらに異母兄アポロンの聖なる牛群を足跡を偽装して盗み出すという大胆な計略を実行します。激怒したアポロンは、キュレネ山の洞窟で赤ん坊のふりをするヘルメスを問い詰め、父ゼウスの前に連行して裁判にかけます。ヘルメスはゼウスの前でも巧妙に無実を主張しますが、最終的に牛を返すよう命じられます。しかし、ヘルメスが自作の竪琴を奏でて美しい歌を披露すると、アポロンはその音楽に深く魅了されます。二人は竪琴と牛の放牧権を交換して和解し、ヘルメスはさらに様々な特権や冥界の使者としての役割を得て、アポロンと不滅の友情を結ぶことになります。
詩歌8 チャンク · §1-79–§510-580890 対訳文読む →第5歌 アフロディテ讃歌
Homeric Hymn 5 to Aphrodite本作は、愛と美の女神アプロディテが人間の英雄アンキセスと交わり、のちの英雄アイネイアスを身籠るまでの経緯を描いた叙事詩的な讃歌です。万物を魅了する強大な愛の力を持つアプロディテですが、ゼウスの計らいにより、彼女自身が人間の男に恋い焦がれることになります。彼女は人間の乙女を装ってイデ山のアンキセスの前に現れ、自らの正体を偽って彼と結ばれます。翌朝、女神が真の姿を現すとアンキセスは神威に怯えますが、彼女は彼を慰め、二人の間に生まれる息子の栄光ある未来を予言します。最後に女神は、人間の老いと死の運命を語り、この交わりを他言しないよう警告して天へ帰っていきます。
詩歌4 チャンク · §1-77–§221-293508 対訳文読む →第6歌 アプロディテ讃歌
Homeric Hymn 6 to Aphrodite本作は、美と愛の女神アプロディテ(Aphrodite)の誕生と、彼女がオリュンポスの神々に迎えられる様子を描いた短い讃歌です。詩はまず、西風に運ばれ、海の泡から生まれた女神がキプロス島に上陸する場面から始まります。そこへ金冠を被った季節の女神たち(ホーライ)が彼女を温かく迎え、不死の衣服や豪華な宝飾品で美しく飾り立てます。完璧に装われたアプロディテが神々のもとへと連れて行かれると、神々は彼女の類稀なる美しさに魅了され、熱烈な歓迎をもって受け入れます。最後に詩人は、歌の競演における自身の勝利を女神に祈願し、賛美の歌を締めくくります。
詩歌1 チャンク · §1-2139 対訳文読む →第7歌 ディオニュソス讃歌
Homeric Hymn 7 to Dionysus本作は、ギリシア神話の酒の神ディオニュソスの恐るべき神威と、彼を冒涜した者へ下る罰を描いた、叙事詩形式の短い賛歌です。海岸に佇む美しい若者姿のディオニュソスを、テュルセニア人の海賊たちが身代金目的で誘拐し、船に連行することから物語が始まります。神を縛ろうとする鎖はことごとく解け、異変を察した舵手だけが海賊たちに神を解放するよう警告しますが、強欲な船長はこれを無視して船を出します。すると船上にワインが溢れ、葡萄や蔦の蔓が帆に絡みつくなどの数々の奇跡が起こります。さらに神が獅子や熊に姿を変えて脅かすと、恐れおののいた海賊たちは海へ飛び込み、イルカに変えられてしまいます。最後に、ただ一人神を敬った賢明な舵手だけが救われ、神は自らがゼウスの息子ディオニュソスであることを明かして彼を祝福します。
詩歌1 チャンク · §1-59125 対訳文読む →第8歌 アレスへの讃歌
Homeric Hymn 8 to Ares本作品は、ギリシャ神話の戦争と勇気の神アレースに捧げられた讃歌です。詩の冒頭では、アレースの持つ強大な力や戦士としての徳性、そして彼が天空の運行を司り星々の間に馬車を駆る神々しい姿が讃えられます。続いて語り手は、アレースに対して自らの心に安寧をもたらすよう懇願します。彼は自らの中に渦巻く怒りや激情を抑え、争いを避けて平和と調和のうちに生きるための勇気と力を与えてくれるよう祈ります。戦争の神に対してあえて平和と法秩序を求めるという、独自の信仰と切実な願いが描かれた一編です。
詩歌1 チャンク · §1-1714 対訳文読む →第9番 アルテミス讃歌
Homeric Hymn 9 to Artemis本作は、狩猟と弓矢の女神アルテミスを称える、全9行からなる短い叙事詩的韻文の讃歌です。詩人は歌の冒頭でムーサ(ミューズ)を呼び求め、アポロンの姉妹であるアルテミスを歌うよう促します。作品の中心では、アルテミスがスミュルナを流れるメレス川の水で馬を潤し、黄金の戦車を駆ってクラロスへと急ぐ姿が鮮やかに描かれます。目的地であるクラロスでは、同じく弓の名手であるアポロンが、彼女の到来を待ちわびて佇んでいます。最後は、詩人が女神への敬意に満ちた挨拶を捧げ、この讃歌を端緒として次の歌へと移ることを誓う伝統的な祈りで締めくくられます。
詩歌1 チャンク · §1-916 対訳文読む →第33歌 ディオスクロイ讃歌
Hymn 33 to the Dioscuri本作品は、レダとゼウスの間に生まれた双子の神ディオスクロイ(カストールとポリュデウケース)を称える短い讃歌です。詩人は冒頭でミューズたちに呼びかけ、これら双子の神々を歌うよう促します。作品の大部分では、海上で嵐に遭遇し難破の危機に瀕した船乗りたちを救う、守護神としての彼らの大いなる力が生き生きと描かれます。荒れ狂う波風を鎮め、人々に救いをもたらすディオスクロイの神徳が称えられた後、最後には神々への挨拶と、次の歌へと歌い継ぐ決意が示されて詩が締めくくられます。
詩歌1 チャンク · §1-1931 対訳文読む →

