アッピアノス
Appian
ギリシア語 · 歴史・地理 · 歴史叙述 · 歴史叙述; 歴史・地理 · 戦記
10 作品 · 7,627 対訳文
ガリア史
Gallic History本作は、古代ローマがケルト人、ガリア人、ゲルマン人の諸部族と繰り広げた、初期の衝突からカエサルによる征服に至るまでの長い戦いと交渉の歴史を描いた歴史書である。物語はまず、ケルト人のイタリア侵入とローマ包囲という初期の危機から始まり、カミッルスの復帰や神官ドルソの英雄的な逸話が語られる。中盤では、ケルト人の身体的特徴や弱点、ローマ人将軍たちの奮戦や一騎打ち、セノネス族などへの徹底的な報復が描写される。後半は、テウトネス族との戦いや、カエサルによるガリア遠征におけるヘルウェティ族やアリオウィストゥスらとの熾烈な戦闘と外交交渉へと至る。本書は断片の集成でありながら、ローマがガリアを平定していく歴史的プロセスを対照的な交渉と戦争の叙述を通じて描き出している。
歴史・地理4 チャンク · §I–§XIII-XXI496 対訳文読む →イタリア
Italy本作は、共和政初期のローマにおける外敵との戦争や国内の政治的混乱、そして歴史的指導者たちの浮沈を描いた歴史叙述の断片群です。前半は、ローマから追放され、復讐心から敵国ウォルスキ族を率いて祖国を包囲した英雄マルキウス(コリオラヌス)の物語に焦点を当てます。彼は和睦の使節を拒み続けますが、母親を筆頭とするローマの女性たちの必死の嘆願に心を動かされて撤退を決断し、後に暗殺されます。後半では、エトルリアの都市ウエイイを攻略しながらも罰金刑に処されたカミルスや、カピトリウムを死守したのちに大衆を煽動して失脚したマルクス・マニウスなど、ローマを救った指導者たちが辿る過酷な運命が描き出されます。国家の危機における英雄たちの忠誠、裏切り、そして民衆との葛藤が、一連の挿話を通じて浮き彫りにされます。
歴史・地理3 チャンク · §I-IV–§Vb-IX216 対訳文読む →マケドニア事件
Macedonian Affairs本作は、ローマの東方進出に伴い発生したマケドニア王国との三度にわたる「マケドニア戦争」の経緯を描いた歴史叙述である。物語は、第一次戦争の和平交渉から始まり、フィリッポス5世の裏切りによって勃発した第二次マケドニア戦争、そしてローマの将軍フラミニヌスによる有名な「ギリシアの自由」宣言へと至る。しかし、戦後の処理に対する不満は燻り続け、フィリッポスの跡を継いだペルセウスの時代に第三次戦争へと突入する。ペルセウスは不信感と度を超した吝嗇により同盟を自ら破綻させ、最後はローマの将軍パウルスによってマケドニアは征服される。最終的には、征服を成し遂げたパウルスが凱旋の最中に最愛の息子たちを失い、人間の運命の不確実性と神の嫉妬について語る劇的な演説をもって、栄光と悲劇の対比とともに幕を閉じる。
歴史・地理9 チャンク · §I-III–§XVIII-XIX673 対訳文読む →ヌミディア事件
Numidian Affairs本作は、ローマ共和国とヌミディア王国の間で戦われたユグルタ戦争期における、北アフリカを舞台とした歴史的・軍事的な出来事を描いた歴史叙述の断片です。物語は主に、ヌミディアの将軍ボミルカスの逃亡と、それに対抗するローマの将軍メテッルスによる過酷な軍事行動を中心に展開します。さらに戦況が推移する中で、ローマの将軍マリオスやスッラと、マウレタニアの王ボックスとの間で交わされる緊迫した和平交渉が描かれます。この交渉の裏では、互いを陥れようとする欺瞞や罠が張り巡らされ、高度な政治的・軍事的な駆け引きが繰り広げられます。本作は、過酷な戦争の現実と、複雑に絡み合う登場人物たちの知略の応酬を、断片的ながらも鮮明に映し出しています。
歴史・地理1 チャンク · §I-V68 対訳文読む →サムニテス史
Samnite History本作は、ローマがイタリア半島の覇権を確立する過程で生じた、サムニウム人や周辺諸民族、そしてエペイロス王ピュロスとの激しい戦争を活写した歴史叙述である。物語はローマ軍内部の反乱や兵士の和解、名将トルクアトゥスの親孝行な逸話から幕を開ける。続くサムニウム戦争の局面では、カウディウムの峡谷で包囲されたローマ軍が、敵将ポンティウスによって「軛の下をくぐらせる」という屈辱的な降伏を強いられ、ローマ全体が深い失意に沈む様子が描かれる。やがて舞台は南イタリアへと移り、ローマの使節への無礼を契機にタレントゥムとの対立が勃発し、彼らは強力な傭兵王ピュロスを呼び寄せる。ピュロスは軍指的勝利を収めてローマに和平を迫るものの、元老院は断固としてこれを拒否し、戦争は継続する。最終的に、ピュロスはシケリアへの遠征に失敗したのち神殿の略奪による神罰を受け、悲惨な最期を遂げることで、初期ローマの苦難に満ちた勝利の歴史が締めくくられる。
歴史・地理7 チャンク · §I-III–§XI-XII629 対訳文読む →シチリアとその他の島々
Sicily and the Other Islands本作は、シチリア島をはじめとする地中海の島々を舞台に、ローマとその周辺諸国との間で繰り広げられた歴史的な紛争や軍事衝突を描いた歴史叙述の断片集です。前半では、第一次ポエニ戦争末期におけるカルタゴとローマ双方の財政破綻や、エジプトのプトレマイオス2世による仲裁の失敗、そしてレグルスをめぐる対立を経て過酷な講和条約が結ばれるまでが語られます。続いて、その直後に勃発した傭兵たちの反乱(リビア戦争)の始まりが活写されます。後半では、シチリアの重要都市シラクサをめぐる紛争とローマの将軍マルケッルスの動向、さらにはローマによるクレタ島の征服が描かれます。最後に、ローマ国内でのクロディウスによる秘密儀礼への女装侵入事件といった興味深い逸話も収められており、地中海世界の覇権を巡る激動の歴史と当時の社会世相を伝えています。
歴史・地理2 チャンク · §I-II–§III-VII192 対訳文読む →ハンニバル戦記
The Hannibalic War本作は、カルタゴの将軍ハンニバル(Hannibal)が引き起こした第二次ポエニ戦争におけるイタリア戦線を詳細に描いた歴史叙述である。イベリアで総司令官となったハンニバルがアルプスを越えてイタリアに侵入するところから物語は始まる。トレビア川やカンナエの戦いにおいて、ハンニバルは卓越した奇策を用いてローマ軍を壊滅させ、ローマを未曾有の危機に陥れる。これに対しローマは、ファビウス(Fabius)による持久戦や徹底した防備体制、同盟都市の奪還によって執拗に抵抗し、戦局は泥沼化していく。やがてカルタゴ本国の危機の高まりと弟ハスドルバルの敗死によりハンニバルは劣勢に立たされ、最終的にイタリアからの撤退を余儀なくされる。ハンニバルの去ったイタリアで、ローマが裏切った都市を処分し秩序を再構築するまでを緊迫感をもって描き出している。
歴史・地理19 チャンク · §11-14–§958-9611,736 対訳文読む →イリュリア戦記
The Illyrian Wars本作は、古代ローマの歴史家アッピアノスが、ローマとイリュリア地方の諸部族との間で繰り広げられた一連の戦争を描いた歴史叙述です。物語はイリュリアの地理的範囲と神話に遡る諸部族の起源、そしてそれらの興亡の歴史から始まります。アグロン王やデメトリオスの裏切りによる初期の紛争を経て、ローマの支配力が徐々に浸透していく過程が叙述されます。特に、オクタウィアヌス(後のアウグストゥス)によるアルプスやダルマティア、パンノニア地方の徹底的な平定作戦が後半の主題となります。メトゥロスやセゲスタにおける激しい包囲戦、指導者自身の負傷や規律を正すための十分の一刑(デキマティオ)など、臨場感あふれる戦況が克明に描かれます。最終的にイリュリア全土が降伏し、ローマの支配下に組み込まれるまでの歴史的展開を一望できる作品です。
歴史・地理10 チャンク · §11-13–§528-530939 対訳文読む →王たち
The Kings本作は、ローマの起源から王政期の終焉に至る初期ローマの歴史と、歴代の王たちの事績を伝える断片的な歴史叙述です。物語は、トロイアの英雄アイネイアスのイタリア上陸とラウィニウム建国、そしてロムルスとレムスの誕生に至る建国前史から始まります。ローマ建国後は、初代王ロムルスから最後の王に至る「ローマの七人の王」の治世と彼らの最期が描かれます。その過程で、サビニ人との和解や、裏切りの少女タルペイア、橋を死守したコクラスの逸話など、初期ローマを彩る伝説的なエピソードや、クラウディウスのローマ亡命といった国家形成期の重要な出来事が紹介されます。建国期の混乱から制度の整備、外敵との戦いを経て、後の大国ローマの道徳的・政治的基礎がどのように築かれたのかを生き生きと描き出しています。
歴史・地理2 チャンク · §1–§2-13177 対訳文読む →シリア戦記
The Syrian Wars本作は、セレウコス朝シリアとローマとの間で繰り広げられた「シリア戦争」を軸に、シリア王アンティオコス3世(大王)の台頭から王朝の滅亡までを描いた歴史叙述である。物語は、アンティオコス3世の領土拡大がローマの本格的な介入を招くところから始まる。亡命した名将ハンニバルの警告を王が無視する中、両国は激突し、ギリシアのテルモピュライや小アジアのマグネシアでローマ軍が決定的な勝利を収める。スキピオ兄弟による寛大な講和の後に、叙述はセレウコス朝の起源へと遡り、初代セレウコス1世の超人的な事績や王位継承のドラマが語られる。最後は、後継者たちの骨肉の内紛を経て、ポンペイウスによりシリアがローマの属州として統合されるまでの王朝の興亡が描かれる。
歴史・地理27 チャンク · §11-12–§1168-11702,501 対訳文読む →

