アンティポン
Antiphon of Rhamnus
ギリシア語 · 弁論・修辞学 · 弁論 · 模擬弁論
5 作品 · 2,256 対訳文
毒殺容疑での継母告訴
Against the Stepmother for Poisoning本作は、父親を毒殺した容疑で継母を告訴する若い男性による、法廷での弾劾演説です。原告はまず、親族間の対立に苦悩しつつも、被告側が真実を究明するための奴隷の拷問(バサノス)を拒否したことを挙げ、自らの告訴の正当性を主張します。続いて、事件の凄惨な経緯が語られます。継母は、父の友人フィロネオスの愛妾と共謀し、愛の媚薬と偽って毒薬を用意させ、結果として父とフィロネオスを毒殺しました。原告は、殺人者を擁護する異母兄弟の不当性を鋭く批判し、奴隷への尋問を拒む被告の態度こそが有罪の決定的な証拠であると訴えます。最後に、被害者である父親が死の間際に自分に復讐を託した事実を明かし、陪審員に対して継母への厳罰と正義の実現を強く求めて弁論を締めくくります。
弁論・修辞学4 チャンク · §1-8–§24-31384 対訳文読む →四部作集 一
First Tetralogy本作は、古典ギリシアにおける架空の殺人事件を題材とした、検察側と被告側による模擬弁論集(テトラロギア)です。冒頭の検察側弁論では、過去の訴訟関係から生じた動機や状況証拠(尤もらしさ)を挙げ、殺人を罰しないことでポリス全体に不浄(ミアスマ)がもたらされると主張します。これに対し被告側は、強盗などの他者による犯行の可能性を提示するとともに、自らの国家・社会への貢献を挙げて無罪を訴えます。後半の弁論では、検察側が被告の弁明を徹底的に論駁して死者の祟りを警告し、最終的に被告側は奴隷の拷問提供による立証の意志を示して自身の潔白を改めて主張します。裁判の最終的な判決は示されず、双方の論理的な駆け引きが緻密に展開される構成となっています。
弁論・修辞学5 チャンク · §1.1-1.11–§4.1-4.12544 対訳文読む →合唱隊員殺人
On the Choreutes本作は、アテナイのタルゲリア祭における合唱隊(ホロス)の準備中に、隊員である少年が薬の服用により死亡した事件をめぐり、合唱隊指揮者(コレゴス)を務めていた被告が自らの無実を訴える弁論である。被告は、事件当時自分は現場におらず、薬の投与にも一切関与していなかったことを主張し、事件が予謀のないものであったと論じる。さらに、原告側が真実を明らかにするための奴隷の拷問(バサノス)による司法検証を拒否した事実を指摘し、彼らの告訴の不当性を暴く。そして、この裁判の背景には、被告に汚職を追及されていた政治的敵対者たちが、被告を公的活動から排除しようとした陰謀があると暴露する。最終的に、被告は法的手続きの不自然な遅延を指摘し、告訴が政治的報復と偽りにすぎないことを強調して無罪を勝ち取ろうとする。
弁論・修辞学7 チャンク · §1-6–§44-51546 対訳文読む →四部作集 二
Second Tetralogy本作は、体育場での投げ槍練習中に起きた、少年の死亡事故をめぐる架空の法廷弁論(四部作形式)です。原告である被害者の父親と、被告である槍を投げた若者の父親が、それぞれ二回ずつ交互に演説を行い、事故の責任の所在を激しく議論します。原告側は、被告が投げた槍によって息子が死亡したという物理的事実を強調し、神聖な穢れ(ミアスマ)を払うための有罪判決を求めます。これに対し被告側は、若者は規則に従って練習しており、原因は槍の軌道に突然走り込んできた少年自身の不注意にあるとして無罪を主張します。行為の結果を重視する原告と、行為の原因を重視する被告の議論は、法的な「過失」の定義や宗教的責任をめぐって平行線をたどります。明確な判決が下されないまま終わる本書は、古代アテナイにおける修辞学の洗練された論理構築の妙を読者に示しています。
弁論・修辞学5 チャンク · §1.1-1.2–§4.1-4.10400 対訳文読む →四部作集 三
Third Tetralogy本作は、酒に酔った若い男と年配の男との間で起きた喧嘩の末の死亡事件をめぐる、架空の殺人裁判を題材とした弁論集(テトラロギア)です。原告(検察側)と被告側がそれぞれ二度ずつ弁論を行う計四つのパートから構成されています。まず検察側が、若く血気盛んな被告が無抵抗の老人を暴行して死に至らしめた残虐性を告発し、有罪判決を求めます。これに対して被告側は、被害者が先に手を出したこと、そして死の真の原因は医師の不適切な治療にあると主張して無罪を訴えます。続く第二弁論では、検察側が年齢や体力の差から被告の加害責任を改めて主張し、最後は、有罪判決を恐れて逃亡した被告に代わり、友人たちが宗教的な穢れの概念も交えて無罪を訴えて幕を閉じます。喧嘩の当事者のどちらに主たる責任があるか、また死因の因果関係をどう捉えるかという、古代の司法レトリックの精緻な応酬が描かれています。
弁論・修辞学4 チャンク · §1.1-1.7–§4.1-4.11382 対訳文読む →
