ヘシオドス
Hesiod
ギリシア語 · 詩歌 · 叙事詩 · 歴史・地理 · 神話叙述; 詩歌
3 作品 · 3,781 対訳文
τῆς δ’ ἀρετῆς ἱδρῶτα θεοὶ προπάροιθεν ἔθηκαν.
徳の前に、神々は汗(労苦)を置かれた。
Opera et Dies 289
ヘラクレスの盾
Shield of Heracles本作は、ギリシア神話の英雄ヘラクレスと、戦神アレスの息子キュクノスとの死闘を描いた叙事詩です。物語はヘラクレスの出生の秘密と、アポロンの聖域におけるキュクノスとの遭遇から始まります。戦闘を前に、ヘラクレスが御者イオラオスとともに身支度を整える中で、本作の最大の見所であるヘパイストス作の「盾」の精緻な描写(エクラシス)が展開されます。盾には、神々と怪物たちの凄惨な戦闘、死の女神たちの争い、そして対照的に平和な都市の婚礼や農作業といった人々の営みが鮮やかに刻まれています。盾の描写を終えた詩は、一転して激しい戦闘へと突入し、アテナの加護を得たヘラクレスがキュクノスを討ち取り、さらに怒るアレスをも傷つけて退けます。最後は、巡礼者を襲っていた不敬なキュクノスの墓が、アポロンの命によって川に洗い流される破滅で締めくくられます。
詩歌6 チャンク · §1-70–§407-480706 対訳文読む →神統記
Theogony本作は、ギリシア神話における世界の始まりと神々の系譜、そしてゼウスを頂点とする神聖な秩序の確立を描くヘシオドスの叙事詩である。ヘリコン山のムーサたちへの讃歌と詩人への詩才授与から始まり、物語は混沌(カオス)からの宇宙誕生へと遡る。大地の女神ガイア、天空の神ウラノス、さらに時の神クロノスへと世代が移り変わる中、去勢や子供の呑み込みといった激しい血縁間の闘争が繰り広げられる。やがて救い出されたゼウスが立ち上がり、プロメテウスの反逆や人類の苦難(パンドラの創造)を挟みつつ、ティタン神族との大戦(ティタノマキア)や怪物テュポエウスとの決戦に勝利する。最終的に、最高権力を握ったゼウスが多くの女神と婚姻を結んで新たな調和をもたらし、物語は女神と人間の間に生まれた英雄たちの系譜へと引き継がれる。
歴史・地理14 チャンク · §1-75–§939-10221,531 対訳文読む →仕事と日々
Works and Days本作は、詩人ヘシオドスが弟ペルセスに対して、正義を重んじて誠実に働くことの大切さを説く教訓叙事詩です。冒頭では、人類が苦難を抱えるようになった起源がプロメテウスとパンドラの神話によって明かされ、さらに黄金から現在の鉄に至る「五つの時代」の衰退史や、力を持つ者への戒めとしての「鷹と夜啼き鶯」の寓話が語られます。中盤以降は、生活を維持するための具体的な農作業や航海の指針が示され、農具の準備から季節ごとの天候に応じた労働の心得が詳細に描写されます。最後に、日常生活の様々な宗教的・道徳的禁忌と、日々の吉凶を定めた暦が紹介されます。労働を神聖な秩序の一部と捉え、神々の正義(ディケー)に従って生きることの重要性を説いた、古代の知恵が詰まった作品です。
詩歌12 チャンク · §1-69–§759-8281,544 対訳文読む →

