ローマ皇帝群像
Historia Augusta
ラテン語 · 歴史・地理 · 伝記
4 作品 · 1,067 対訳文
アエリウス
Aelius本作は、ローマ皇帝に即位することなく「カエサル」の称号のみを保持した人物たちの伝記を綴る試みの一環として、ハドリアヌス帝の養子となったエリウス・ウェルスの生涯を描いた伝記作品である。著者はディオクレティアヌス帝に本作を捧げることを宣言し、まずは「カエサル」という名の起源やエリウスの家系から語り始める。続いて、エリウスの官職経歴が記されるが、彼は極めて虚弱であり、ハドリアヌスが占星術によって彼の早逝を予見していた様子が描かれる。さらに、エリウスの享楽的で贅沢な私生活や独特な嗜好に関する様々な逸話が詳細に紹介される。最終的に、エリウスの急死と、それに伴うハドリアヌス帝によるアントニヌス・ピウスの養子縁組の経緯が語られ、著者の執筆意図とともに締めくくられる。
歴史・地理3 チャンク · §1-2–§5-7230 対訳文読む →ディディウス・ユリアヌス
Didius Julianus本作は、2世紀末のローマ皇帝ディディウス・ユリアヌスの短い治世と彼の悲劇的な没落を描いた歴史叙述である。物語はユリアヌスの出自と初期の経歴から始まり、前帝ペルティナクス暗殺後の混乱の中で彼が近衛兵の支持を得て帝位を買い取る経緯と、それに対する民衆の激しい反発を描き出す。帝位に就いたユリアヌスを待っていたのは、民衆の憎悪と、各地の有力な将軍ニゲルやセウェルスの蜂起であった。焦るユリアヌスは、刺客の送付や共同統治の提案、果ては魔術への依存など迷走を重ねるが、事態を打開することはできない。最終的に、すべての支持者に見捨てられた彼は、元老院の決議により帝位を剥奪されて宮殿内で殺害され、セウェルスが新たな支配者となる。
歴史・地理3 チャンク · §1-3–§7-9366 対訳文読む →ゲタ
Geta本作は、ローマ皇帝セプティミウス・セウェルスの次男であり、共同皇帝となったゲタ(Geta)の短い生涯と悲劇的な最期を描いた歴史伝記です。物語はまず、父セウェルスがゲタに「アントニヌス」の名を授けた経緯と、彼の非業の死をあらかじめ予言していた数々の不吉な予兆の叙述から始まります。続いて、ゲタの少年期および青年期における優れた資質や、彼が持っていた独特な習慣に関する個人的な逸話が紹介されます。しかし、共同皇帝に即位したのち、ゲタは兄カラカラによって暗殺されるという非業の死を遂げます。作品の後半では、この暗殺に伴う凄惨な恐怖政治の様子と、死後に兄カラカラによってゲタが神格化された皮肉な経緯が描かれ、権力をめぐる骨肉の争いの虚しさを浮き彫りにしています。
歴史・地理2 チャンク · §1-3–§4-7241 対訳文読む →二人のウァレリアヌス
The Two Valerians本作は、ペルシア軍に捕縛されたことで知られるローマ皇帝ウァレリアヌス(大ウァレリアヌス)と、その息子である小ウァレリアヌスの生涯を記録した歴史叙述です。前半では、ペルシアの王シャープールに捕らえられたウァレリアヌスをめぐり、ローマの底力を恐れる周辺諸国の王たちが和平と釈放を促す様子や、パルミラのオダエナトゥスが軍を率いてペルシアを撃退した経緯が描かれます。続いて、ウァレリアヌスが即位する前にデキウス帝から監察官職に推薦されながらも、その責任の重さと自身の高潔さゆえに辞退したという過去の逸話が紹介されます。後半では、共同皇帝であった息子の小ウァレリアヌスの短い生涯と、彼の墓碑銘をめぐる誤解が簡潔に説明されます。最後に著者は二人のウァレリアヌスに関する記述を終え、次巻のガッリエヌスらの伝記へと叙述を繋げていきます。
歴史・地理2 チャンク · §1-5–§6-8230 対訳文読む →

