ジャンル
Rhetoric
引用方式
section
チャンク数
2
§1-5–§6-12
対訳文数
217
日本語 71 · English 38 · 简体中文 41 · 한국어 67
底本
Lucian, Vol. 1. Harmon, Austin Morris, editor. London: William Heinemann, Ltd.; Cambridge, MA: Harvard University Press, 1913.
原文データ出典
Perseus Digital Library · CC BY-SA 4.0
Humanitext がクローン・再構成し、継続的に更新しています。
要旨
本作は、一般に卑小で不快なものとみなされる「蝿(ハエ)」をあえて称賛の対象とする、ユーモアに満ちた修辞的弁論である。語り手は、蝿の身体的特徴や生態、行動を詳細に観察しながら、その多様な美点や能力を次々と挙げていく。前半では、蝿の小さくも美しい身体構造や特徴的な羽音、光を愛する性質が解剖学的な視点も交えて説明され、ホメロスの叙事詩からその不屈の勇気を称える文学的事例が引用される。後半では、交尾の自由や、灰によって蘇るという驚異的な生命力が語られ、さらに神話や歴史に登場する「ムイア」の名を持つ女性たちの逸話が紹介される。卑小な昆虫を弁論術の限りを尽くして賛美する本作は、一見価値のないテーマからいかに説得力のある美辞麗句を構築できるかという、修辞学の洗練された知的遊戯を読者に示している。
