キケロ

キケロ · Cicero

運命について

On Fate

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ジャンル
Philosophy
引用方式
section
チャンク数
10
§1-5–§46-48
対訳文数
1,053
日本語 351 · English 181 · 简体中文 220 · 한국어 301

底本

Cicero. M. Tullii Ciceronis De divinatione libri duo libri de fato quae manserunt. Mueller, C. F. W., editor. Leipzig: Teubner, 1915.

原文データ出典

Perseus Digital Library · CC BY-SA (Perseus の利用条件による)

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要旨

キケロの『運命について』は、世界のすべてを支配する「運命」の必然性と、人間の「自由意志」や道徳的責任がどのように両立しうるかを問う哲学対話篇です。カエサル暗殺後の不穏な情勢の中、キケロとヒルティウスの対話という形で議論が展開されます。アカデメイア派の立場をとるキケロは、すべてが運命によってあらかじめ決定されているという運命論を否定し、人間の意志や教育が道徳的欠陥を克服できると主張します。論理学的なアプローチを用いて、ディオドロスやクリュシッポスらによるモダリティ(可能性と必然性)論争を批判的に検証し、決定論を回避するために無原因の「原子の逸れ」を導入したエピクロス派をも退けます。さらに、カルネアデスが提示した「心の自発的運動」を支持し、外部の先行原因がない自発的意志を擁護します。最後に、ストア派のクリュシッポスが「完全な原因」と「補助的な原因」を区別して運命と同意を調停しようとした議論を分析し、両派の対立は実質的なものではなく言葉の争いにすぎないと指摘します。