アッリアノス
Arrian
ギリシア語 · 散文・その他文芸 · 書簡作品・書簡 · 歴史・地理 · 地理誌・民族誌; 歴史・地理
3 作品 · 1,681 対訳文
ルキウス・ゲッリウス宛書簡
Epistle to Lucius Gellius本書は、アリアノスが友人ルキウス・ゲッリウスに宛てて認めた、哲学者エピクテトスの講義録である『語録』の序文となる書簡です。アリアノスは、自分がこの『語録』を文学作品として自ら執筆・公表したわけではないことを弁明します。彼は、かつて師であるエピクテトスが語った生々しい言葉や思想をそのまま保存するために、自らの覚書として記録していたに過ぎないと語ります。しかし、その私的な記録が本人の意図に反して他者の手に渡り、流出して公開されるに至った経緯が説明されます。最終的にアリアノスは、本書が修辞的な美しさを持つものではなく、読者の魂に働きかけるエピクテトスの真摯な教えそのものであることを強調しています。
散文・その他文芸1 チャンク · §1-847 対訳文読む →黒海航海記
Periplus of the Euxine Sea本作は、2世紀のローマの執政官・歴史家アリアノスが、ハドリアヌス帝へ宛てた書簡の形式で執筆した黒海(ポントス・エウクセイノス)沿岸の周航記(ペリプルス)である。トラペズスに到着した著者が、現地の祭壇や立像の改修を皇帝に提案し、軍事視察や嵐に遭遇した航海の様子を報告することから始まる。前半では東南沿岸のアプサロスやファシス川の要塞の状況、現地部族の支配体制などが克明に記録される。中盤では、ボスボロスからトラペズスに至る南岸の港湾や距離、ハドリアヌス帝による港湾建設への賛辞が述べられる。さらに後半では、ローマ支配の限界点とされるディオスクリアスから先、黒海北岸や西岸の航路へと視点を広げ、アキレウスの島にまつわる神秘的な生態系や奇跡の伝承に一章を割く。最後は、西岸のギリシア都市群を経由してビュザンティオンに至る航路を記述して締めくくられ、地理的実用性と神話的探究心が融合した貴重な記録となっている。
歴史・地理25 チャンク · §1.1-1.4–§25.1-25.41,316 対訳文読む →アラノイ人に対する布陣
The Order of Battle against the Alans本作は、カッパドキア総督であったアリアノス(自らを「クセノポン」と呼ぶ)が、遊牧民アラン人の侵入に対してローマ軍がとるべき具体的な行軍および戦闘陣形を規定した軍事学・戦術書です。作品はまず、ローマ軍が遭遇戦を避けて目的地へ安全に進軍するための詳細な行軍隊形と、到着後の陣地展開の配置を示すことから始まります。中盤では、アラン人の強力な騎兵突撃に対抗するための、高地を利用した歩兵の布陣や、重装歩兵の長槍、後方の弓兵・投槍兵、および兵器の配置といった具体的な防衛隊形が指示されます。終盤では、敵の接近に伴う戦闘の開始から、全火力による集中射撃、ファランクスを用いた肉薄防御、そして敵退却時の秩序ある追撃や包囲への対処に至るまで、実戦における一連の戦術的行動が順序立てて描かれます。一貫して実用的な軍事命令の形式をとっており、当時のローマ軍の高度な組織力と戦術的対応策を鮮明に伝える内容となっています。
科学・哲学3 チャンク · §1-11–§23-31318 対訳文読む →

