書簡
Letters
本書は、アテナイの弁論家アエスキネスがデモステネスとの法廷闘争に敗れ、追放された後の亡命生活や政治的信条を綴った全12通からなる書簡集です。書簡の宛先は、アテナイの評議会や市民、友人、そして彼を非難する敵対者たちと多岐にわたります。前半では、ロドス島への過酷な旅路や、不在中の自身や家族を攻撃する人々への怒り、先人の偉人たちを引き合いに出した自己の境遇の正当化が語られます。また、イリオン訪問時に同行者が起こした珍騒動のような私的な逸話も含まれています。後半では、アレクサンドロス大王の死後にマケドニアとの開戦を企てるアテナイ市民に対し、かつてのデモステネスのような煽動政治家に惑わされず現実的な国力を直視するよう強く警告します。全体を通して、亡命の身でありながらも故郷のポリスの行く末を案じ、残された家族への慈悲を乞う敗北した政治家の複雑な心情が克明に描き出されています。
散文・その他文芸
14 チャンク · §1.1-1.5–§12.10-12.17
794 対訳文
読む →